山に暮らす
−山梨県の生業と信仰−

堀内 眞 著
(富士吉田市歴史民俗博物館/1952年生まれ)

2008年2月刊
A5判・328頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-498-3 C3039 \8900E
8900 (税別)
平成19年度「野口賞(郷土史部門)」受賞
「山梨県の郡内地方では、ヤマとは、よその地域で田や畑などの耕地をさすノラ(野良)と同義語に用いられ、また、西桂町下暮地では、「戸口を一歩出たらみんなヤマだ」といい、戸外の耕地での農作業を、ヤマをする、と表現している。
 ここでは、地形としての山のみならず。そこに展開するヤマの用例やその表現される認識の多様性を含めて、このような山の自然環境と人間活動の接触を通じて、この領域で生成し、醸成されてきた生活様式を山の民俗として捉え、その調査を通して現代における意味を考えてみたい。」(本書「はしがき」より)
道祖神や小正月行事を追い、「夕顔を一生つくるな」という禁忌伝承を調べ、焼畑のムラの生活を記録し、山間地域に住む人々の生業と信仰の姿をあきらかにする。

【主要目次】 

 T 山の作物
第1章 作物禁忌伝説と俗信―夕顔の伝承を中心として―
第2章 小室浅間神社の筒粥神事
第3章 筒粥と作物
 U 山人の世界
第1章 ヤマとよばれる耕地―ヤマとカイト―
第2章 小明見の村落形成と同族集団
第3章 オヤオクリ、シュウトトムライと、位牌分け
第4章 焼畑の技術
第5章 焼畑のムラの世界―早川町奈良田を例に―
 V 山の道祖神信仰
第1章 山梨県の道祖神祭
第2章 小正月行事とモノツクリ
第3章 丹波山村の御松引き
第4章 行事の伝承と変容―山梨県峡南地方の道祖神祭を例に―


ご注文へ