現代幽霊論 妖怪・幽霊・地縛霊


大島 清昭 著
(筑波大学大学院修士課程修了/1982年生まれ)


2007年10月刊
A5判・210頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-481-5 C3039 \4900E
4900円 (税別)
 私が着目したいのは、これまであまり積極的に論じられてこなかった近代以降の「幽霊」、殊更に現代の「幽霊」である。日本で「幽霊」といった場合、どうしても近世以前に引っ張られてしまいがちであるが、「幽霊」は決して過去だけのテーマではない。本稿の問題意識も民俗学における「幽霊研究」に端を発している。しかし、私の関心は通常の民俗学というよりも、専ら「妖怪」にあった。従って、私の研究姿勢は民俗学に依拠しながらも、所謂「妖怪研究」という学際的な広がりを持ったものである。つまり、ここでは民俗学・宗教学・文学・心理学、時には心霊研究まで目を配りながら、それぞれの学問分野の業績を総合的に検討して、学際的な「幽霊研究」を行おうと思うのだ。(本書「序章」より)

【収録内容】 

序 章 「幽霊」と「日本の幽霊」
第1章 幽霊と妖怪
幽霊と妖怪/幽霊と都市/幽霊とフィクション/幽霊と化物/幽霊と妖怪 再考/妖怪と水木しげる/本稿における妖怪と幽霊の定義
第2章 霊の宇宙誌
「日本の幽霊」の範囲/霊魂を分類するために/霊魂チャート/幽霊の隣り
第3章 幽霊発生装置
鏡/心霊写真/新しい幽霊発生装置/幽霊発生装置とスピリチュアリズム/霊感
第4章 〈場〉に固定化した幽霊
地縛霊と場所に固定化した幽霊/場所に固定化した幽霊の研究/ 「学校の怪談」における場所に固定化した幽霊/〈場〉に固定化した幽霊/ 幽霊と「他界」
終 章 幽霊論から見た霊ブーム


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