中世港町論の射程
港町の原像・下

市村高男・上野 進・渋谷啓一・松本和彦 編

2016年8月刊
A5判・326頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-964-1 C3021
5600円 (税別)
四国村落遺跡研究会主催シンポジウム「港町の原像−中世港町・野原と讃岐の港町」(2007年)の成果を、先に『中世讃岐と瀬戸内世界−湊町の原像・上』(2009年)として刊行したが、本書は、その下巻として、その後の成果を加え、中世港町の全体像を描き出すべく、讃岐や瀬戸内世界を越えた内容を持つ論考10編を収録した。
すなわち、中世讃岐の領域構造、港町の景観復元、中近世移行期の高松の中心地形成過程についての考察、近世高松城下町の成立過程の考察など、讃岐に軸足を置いた論考を配置する一方、中世港町・海運論を構造論的な視点から捉え直した論考、土器研究から瀬戸内流通と港町について新たな光を当てた論考、伊勢大湊に関する新事実を提示した論考、さらには、これまであまり検討されてこなかった港湾施設の実態・特質について究明した諸論考を収録した。
【主要目次】 
 中世港町研究の現状と課題
中世港町の成立と展開
 −中世都市論の一環として−
市村 高男
土器研究から見た瀬戸内流通と港町
 −和泉型瓦器椀を中心に−
佐藤 亜聖
もうひとつの「大湊」
 −伊勢国二見郷の位相を探る−
伊藤 裕偉
 
 中世港湾施設の実像
前近代の港湾施設 佐藤 竜馬
港湾集落「備後草津」の特質
 −草戸千軒町遺跡の調査から−
鈴木 康之
東国御家人の地域開発
 −球磨川流域相良頼景館跡船着き場遺構−
永井 孝宏
 
 中世讃岐の諸相
伊勢御師が見た讃岐 佐藤 竜馬
中世志度の景観 上野  進
経済より見た高松城成立の背景 井上 正夫
発掘成果に見る高松城跡 大嶋 和則
 
【既刊】
中世讃岐と瀬戸内世界−港町の原像・上
 2009年12月刊・268頁・3000円(税別)

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