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日本在来犂の総括的研究 全2冊 「民具からの歴史学」からのアプローチ 河野 通明 著 (神奈川大学名誉教授/1938年生まれ) 2025年7月刊 B5判・総1312頁・図表多数・上製本・セット函入 ISBN978-4-86602-181-2 C3039 揃40,000円 (分売不可/税別) |
前著『日本農耕具史の基礎的研究』(和泉書院、1994年)以降、著者は、日本全国の在来犂(ざいらいすき)をくまなく調査し、それは東アジアにまで及んだ。 本書は長年にわたる著者の調査・研究を集大成したもので、日本列島への犂耕の伝来から、全国へ普及した実態を明らかにする。その方法は、文献史料・絵画資料、そして民具資料を総括的に考察し、民具には理科的分析を加えて歴史情報を引き出す。そして現地調査でデータを蓄積して帰納法で結論を導くものである。 そこから得られたのは、「民具の遺伝子の法則」の発見と、「民具からの歴史学」の創出、であった。 |
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【主要目次】 | |
■上巻 704頁 ISBN978-4-86602-179-9 C3039 | |
T 長床犂の再評価 | |
第1章 | 犂を計測する −形から性能を引き出す試み− |
第2章 | 近世農業と長床犂(1) −「中世名主=犂、近世小農=鍬農業」説の再検討(上) |
第3章 | 近世農業と長床犂(2) −「中世名主=犂、近世小農=鍬農業」説の再検討(中) |
第4章 | 近世農業と長床犂(3) −「中世名主=犂、近世小農=鍬農業」説の再検討(下1) |
第5章 | 近世農業と長床犂(4) −「中世名主=犂、近世小農=鍬農業」説の再検討(下2) |
U 日本列島への犂耕の伝来時期 | |
第1章 | 日本における犂耕国内発生説の再検討 |
第2章 | アジアの犂の分類法および系譜に関する諸説の再検討 |
第3章 | 東アジアにおける犂耕の展開についての試論 |
第4章 | 朝鮮半島における在来犂の成立過程に関する試論 |
第5章 | 民具の犂調査にもとづく大化改新政府の長床犂導入政策の復原 |
第6章 | 7世紀出土一木へら長床犂についての総合的考察 |
第7章 | 遣唐使将来唐代犂の復原と導入時期の特定 |
V 各地の在来犂 | |
第1章 | 奈良県の在来犂 −大化改新政府の畿内向けモデル犂の復原− |
第2章 | 大阪府の在来犂(1) −民具からの7世紀政権支持基盤の復原− |
第3章 | 大阪府の在来犂(2) −渡来人の動向と泉北・紀北圏犂の復原− |
第4章 | 民具から歴史情報を引き出す方法(1) −河内編− |
第5章 | 民具から歴史情報を引き出す方法(2) −摂津編− |
第6章 | 民具から歴史情報を引き出す方法(3) −和泉編− |
■下巻 608頁 ISBN978-4-86602-180-5 C3039 | |
第7章 | 在来犂調査にもとづく5世紀犂耕伝来事情の解明 −大阪平野・奈良盆地− |
第8章 | 和歌山県北部の在来犂 −X脚有床犂とチェンギの痕跡− |
第9章 | 滋賀県中畑遺跡出土平安時代犂の検討 |
第10章 | 滋賀県川田川原田遺跡出土犂の伝来事情とその後 |
第11章 | 中国地方の在来犂 |
第12章 | 周防地方の民具から見た犂耕伝来の2つの波 |
第13章 | 在来犂と牽引法から見た古代瀬戸内海地域の政治・社会動向 |
第14章 | 民具の犂から四国の古代を復原する |
第15章 | 福岡県の在来犂 −民具から見た6〜7世紀の福岡県域− |
第16章 | 『成形図説』犂図の検討 −近世前期薩摩藩における長床犂導入政策の復原− |
第17章 | 鹿児島県の在来犂 −民具調査からの薩摩藩犂耕導入政策の検証− |
付 章 | 東北地方の引手なし馬鍬 |
W 「民具からの歴史学」へ | |
第1章 | 民具から見た百済・高句麗難民の動向 |
第2章 | 民具という非文字資料の体系化のための在来犂の比較調査 −「民具からの歴史学」の有効性の追究と方法論確立の試み− |
終 章 | 「民具からの歴史学」への30年 |
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