城下町の民衆史
盛岡・水沢・遠野

松本(まつもと) 四郎(しろう)
(都留文科大学名誉教授/1932年生まれ)

2024年3月刊
A5判・198頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-169-0 C3021
3800円 (税別)

「日本の近代都市の前身は近世の城下町にあるといわれている。単に歴史の問題ではなく、日本の都市、あるいは市民の性格とも絡んで論じられることが多い。もちろん現代の問題としてではなく、歴史の中で、都市的な、あるいは市民的な性格がどう成立し、変化を遂げていったかを具体的に知りたい、という欲求に駆られてくる。あるいは世界のなかでの違いや比較のなかで、日本とか、自分たちの地位を考えることが求められている、といってもよいだろう。」(序文より)
【主要目次】
第一章 仙台領要害前の町場居住者
   水沢要害の成立/町場の構成者/
町場居住者の設定/町場の経済
第二章 城下町の成立史
−奥州盛岡の市の設立と特産物売買を中心に
   城下町の町替え/町々の住民/
城下町の市での特産物販売/拡大する城下町/
運上請負制から五口改め令へ/城下町米商人の動向
第三章 城下町の展開史
−奥州盛岡の祭礼・芸能、そして若者たち
   町方の御能拝見/八幡社の祭礼と八幡町の成立/
祭礼神事の拡大・変質/多様な人びとが集まる町/
俄祭りと若者/若者頭と物屋衆
第四章 近世遠野の展開史 -町のなかの「百姓」と「渡世」
   遠野の都市的状況/町絵図のなかの家主/
町のなかの「百姓」/「百姓」と市商業の関係/
市商業からの転換/六日町の「伝馬町」辞退/
遠野の特産物流通
第五章 遠野の幕末・維新期 −近代に結びついたもの
   維新期遠野の五ヶ町絵図/
町絵図に窺える遠野の町々/各町地面の所持状況/
遠野の町の「商」の特徴/町のなかの「農」の役割/
幕末期の変化/維新期の遠野
終 章 『城下町の民衆史』を書き上げて
   
【既刊】松本四郎『町場の近代史』近代史研究叢書1

ご注文へTOPEへ