中世の宮廷と故実
『禁秘抄』の世界
中世史研究叢書35

佐藤(さとう) 厚子(あつこ)
(椙山女学園大学教授/1953年生まれ)

2022年4月刊
A5判・356頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-136-2 C3321
7200円 (税別)
評者:詫間直樹(『日本歴史』900  pp133-135  2023.05)
『禁秘抄』は、順徳院(在位1210-21)の撰になる故実書である。
「『禁秘抄』に記される種々の故実は、中世の天皇と 宮廷社会の有り様を、多彩に生き生きと描き出す。…そこに、前代とは異なる、そして次代へと動きつつある変動の時代と、変動の時代に生きた人々の姿が浮かび上がる。そこになにが見えてくるか。」(「序に代えて」より)
【主要目次】 
序にかえて―『禁秘抄』の性格及び成立の背景
T 天皇の渡り物
 「賢所」 中世における皇祖神の意味と天皇の像
 「大刀・契」「宝剣・神璽」「竈神」 天皇のレガリア―価値の在処
U 儀式と日常
 「恒例毎日次第」 内廷行事化する神事
 「御膳事」 日常の中の古代と中世
V 内廷の秩序
 「御装束事」 桎梏からの解放
 「可遠凡賤事」 中世の天皇と臣下
 「被聴台盤所之人」 台盤所の機能と女房の職掌
W 故実としての儀式
 「内裏焼亡」 非常時と故実作法
 「祈雨」 為政者と国難
 「解除」 天皇の服喪/錫紵儀―形骸化の過程
X 中世国家と天皇の身体
 「御物忌」 天皇の“職”と身体
 「日月蝕」 天変の意味するもの―国難から身体の危機へ
 「御祓」 七瀬祓―簡略化の流れ/衣と人形
Y 中世の内裏と故実
 「清涼殿」 清涼殿の性格と石灰壇の機能/閑院内裏の清涼殿
付「御燈祓」と故実語り
【既刊】佐藤厚子
中世の国家儀式−『建武年中行事』の世界−(中世史研究叢書4)5900円(税別) 2003.10

ご注文へTOPEへ