中世史研究叢書C
中世の国家儀式

―『建武年中行事』の世界―

佐藤 厚子著
(椙山女学園大学助教授/1953年生まれ)

2003年10月刊・A5判・284頁・上製本・函入
I ISBN4-87294-294-9
5900円

後醍醐天皇は、生涯のいつの時期にか、宮廷年中行事の一つ一つを採り上げて、その次第を記し作法を説くという作業を行っていた。後醍醐の自撰になるこの書を、後世に『建武年中行事』と称する。…本書では『建武年中行事』から、元日節会、石清水臨時祭、叙位議、県召の除目、神今食、四方拝に関する記事を採り上げ、考察を試みる。それぞれの記事を読むにあたっては、予め二つの目標を立てて作業を進めることとする。目標の一つは、当の儀式を知ること。古代・中世の宮廷行事については、現在一般に知られていないことが余りにも多い。かつて実際に行われていた儀式について、少なくとも基本的なところは理解しておきたいのである。…もう一つの目標は、当の儀式について『建武年中行事』が如何なる説明の仕方をしているかを確認し、その叙述の特徴を把握すること。つまり『建武年中行事』に他の儀式書と異なる要素があるとすれば、それは何か。作品としての個性なり独自性なりを確かめようとするのである。それは、いずれ、この作品の編まれた背景を明らかにすることにも繋がって行く。(本書より)
【主要目次】
『建武年中行事』をどう読むか
元日節会(1)…陣座の内弁作法をめぐって/宝剣・神璽
元日節会(2)…中世の節会/“後-醍醐”とは何か
石清水臨時祭…王朝国家儀式の叙述/試楽の再興
叙位議…………「昼御座」の天皇と蔵人/天皇と関白
県召の除目……『建武年中行事』の除目記事と周辺資料/天皇と大臣公卿
神今食…………中世の神今食/親祭の叙述
四方拝…………属星拝をめぐって/宮中の儀式世界と後醍醐天皇
『建武年中行事』と後醍醐天皇
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