中世東国の郷村結合と地域社会
中世史研究叢書32

高橋(たかはし) 裕文(ひろぶみ)
(茨城県那珂市史編さん専門委員/1948年生まれ)

2021年6月刊
A5判・316頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-120-1 C3321
6600円 (税別)
評者:山野龍太郎(『日本歴史』892  pp79-81  2022.09)
「本書のねらいとするのは、先に刊行した拙著『中世東国の村落形成−中世前期常陸国を中心に−』(岩田書院 2020)に続き、@中世後期東国の村落結合の機能を、年貢・勧農・宗教的結集・農民闘争などの諸側面から明らかにし、Aさらには、農民諸階層との関係で村落の内部構造とその重層性を探り、Bその上で、村落どうしの横の連合がどのようになされ、地域社会の形成に果たした基底的役割を確かめ、近世社会への展望を見いだそうとするものである。」(本書「まえがき」より)
【主要目次】
T 年貢をめぐる領主と郷村の対立と契約
第一章 南北朝期円覚寺造営料所化と常陸国小河郷地頭・百姓の闘い
 −「指出」拒否と地頭・百姓との関係において−
第二章 室町期東国村落における年貢請負契約の成立とその意義 −熊野那智山覚園寺領常陸国酒依荘・郷−
U 郷と宿の構造と機能
第三章 享徳の乱と鑁阿寺領武蔵国戸守郷
 −用水・減免・戦乱について−
第四章 中世東国の宿の構造と検断職
 −常陸国新治郡田宮宿を中心として−
V 用水と入会地の管理と紛争
第五章 戦国期東国の用水普請と郷中談合
 −武蔵・甲斐・下総・陸奥を中心に−
第六章 戦国期常陸国信太荘の山野入会地紛争
 −土岐氏権力と郷村の自力救済−
W 郷村の鎮守と地域的結合
第七章 戦国期常陸国佐竹領の郷村構造と民衆動向
 −殿原・おとな・百姓・家風−
第八章 戦国期常陸・下総の境目地域における郷村連合の成立
 −豊田郡宗任神社の「御水帳」の分析を通して−
終 章 中世東国村落史のまとめと研究状況

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