加賀藩政治史研究と史料

加賀藩研究(かがはんけんきゅう)ネットワーク編
(代表:石野友康)

2020年5月刊
A5判・352頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-86602-095-2 C3021
7500円 (税別)
評者:千葉拓真(『史学雑誌』130-4  pp106-107  2021.04)評者:桐生海正(『地方史研究』413  pp134-135  2021.10)
「先に刊行した『加賀藩武家社会と学問・情報』(岩田書院 2015)の冒頭で、当面する加賀藩研究の課題として、(1)藩研究を経済・社会面に限定学問・文化・情報といった面におし広げること、(2)幕藩制のもとで最大の藩であったことの特質やその影響等を幅広く検討すること、(3)『加賀藩史料』という便利かつ内容的に充実した刊行史料集に関し、敬意を払いながらも、そこから脱却し新たな史料研究、史料を前進させること、を提言した。この三つの課題のうち、本書ではとくに『加賀藩史料』からの脱却という課題に意識的に取り組みつつ、執筆者個々が取り組んでいる研究課題に即し、藩研究の多様な課題にそれぞれ新しい論点を提供することを共通の目標とした。」(木越「本書の意図」)
【主要目次】 
本書の意図と概要 木越隆三
宮下和幸
 第一部 新しい視点から史料を読み解く
七日市前田家の家譜・系図
 −幕府・加賀前田家への提出に注目して−
鎌田 康平
明暦〜寛文期における加賀藩人持組の構成 見瀬 和雄
今枝直方著述史料についての基礎的研究
 −加越能文庫蔵本から見る−
小酒井達也
加賀藩の貞享由緒帳をいかに評価するか
 −藩主前田綱紀の権力基盤強化策−
石野 友康
前田土佐守家文書にみる加賀藩主の御親翰 竹松 幸香
加賀前田家年寄の御用番勤め
 −「類聚御用番記」の検討から−
林  亮太
 
 第二部 史料批判と新たなまなざし
「寛永諸家系図伝」編纂における加賀藩の系譜情報収集 岡嶋 大峰
地方知行形骸論と給人平均免の史料学
 −寛永十七・十八年「新知行出」の再検討−
木越 隆三
十村御用留論
 −近世中後期の越中国砺波郡十村の郡中支配・運営−
上田 長生
「勤王」が地域にもたらしたもの
 −近代における「旧藩」の編纂事業とその叙述−
宮下 和幸

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