福原高峰と「相中留恩記略」
近世民間地誌にみる「国」意識
近世史研究叢書51

斉藤 司(さいとう つかさ)
(横浜開港史料館副館長/1960年生まれ)


2018年7月刊
A5判・300頁・上製本・函入
ISBN978-4-86602-043-3 C3321
6800円 (税別)
前著『煙管亭喜荘と「神奈川砂子」−近世民間地誌の成立と地域認識−』(岩田書院 2017)に続き、本書では、江戸時代後期に相模国鎌倉郡渡内村(神奈川県藤沢市)の名主である福原高峰(ふくはら・たかみね)(1792-1868)が編纂した 相模国全域を対象とする名所図会形式の民間地誌「相中留恩記略(そうちゅうりゅうおんきりゃく)」を素材として、同書における相模国認識を検討し、その編纂の意図・目的を明らかにする。
「相中留恩記略」の「相中」は相模国の国中全体、「留恩」は徳川家康(東昭大神君様)が留めた恩(事蹟)、「記略」は記録の意。刊本としては、『相中留恩記略』(有隣堂、1967年)がある。
【主要目次】

序 章 本書の課題と構成
    (相中留恩記略の構成と内容/相中留恩記略の研究史/
    本書の課題と構成)

第一章 「相中留恩記略」における相模国意識
 第一節 「江戸名所図会」と江戸・武蔵国意識
     (江戸・江戸大城基立/武蔵/意冨日神社・茂侶神社)
 第二節 「自序」と「凡例」の分析

第二章 本文の分析(一)−足柄上郡・足柄下郡

第三章 本文の分析(二)−淘綾郡・大住郡・愛甲郡・津久井県

第四章 本文の分析(三)−高座郡・鎌倉郡・三浦郡・武蔵国金沢

終 章 本書の成果
    (相中留恩記略の構成と内容/
    相中留恩記略の相模国認識と編纂の意図・目的)

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