立山曼荼羅の成立と縁起・登山案内図

福江 充(ふくえ みつる)
(北陸大学准教授/1963年生まれ)


2018年7月刊
A5判・394頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-86602-042-6 C3039
8600円 (税別)
評者:岩鼻通明(『山岳修験』63  pp67-70  2019.03)評者:加藤基樹(『北陸大学紀要』47 pp155-160  2019.09)
本書は、先に刊行した『立山信仰と三禅定−立山衆徒の檀那場と富士山・立山・白山−』(岩田書院 2017)に続くものである。前書は、立山信仰の伝播者たる芦峅寺衆徒の東海地方での檀那場形成と、その地域で盛んであった三禅定の習俗について考察した。
そこで本書では、芦峅寺衆徒の活動が江戸時代初期から、芦峅寺一山の立山信仰世界を牽引する形で展開し、さらにその影響下で立山略縁起と木版立山登山案内図ができ、立山曼荼羅が成立したことを論証しようとするものである。併せて、檀那場形成における立山曼荼羅の絵解きの実態も考察する。
【主要目次】

序 章 三禅定と木版立山登山案内図及び立山曼荼羅

第一章 立山曼荼羅を巡る重層的な社会構造

第二章 芦峅寺の立山縁起と木版立山登山案内図・立山曼荼羅

第三章 立山略縁起と立山曼荼羅
     −芦峅寺宝泉坊旧蔵『立山縁起』の紹介と考察−

第四章 立山曼荼羅の成立過程に関する一考察
     −木版立山登山案内図から立山曼荼羅への展開−

第五章 木版立山登山案内図と立山曼荼羅

第六章 立山曼荼羅の絵解き再考
     −芦峅寺宝泉坊衆徒泰音の「知」と御絵伝(立山曼荼羅)招請に着眼して−

第七章 芦峅寺教算坊が大坂で形成した檀那場と立山曼荼羅

第八章 立山曼荼羅の図像を読み解く
     −目連救母説話図像と越中国南砺系チョンガレ台本−

付 『流聞軒其方狂歌絵日記』所収「立山三尊開帳」に描かれた地獄絵と岩峅寺系立山曼荼羅

参考資料1 立山曼荼羅諸本の解説(全52点・全写真付)
参考資料2 立山曼荼羅研究関係文献目録(1936-2017)

ご注文へTOPEへ