立山信仰と三禅定 立山衆徒の檀那場と富士山・立山・白山 福江 充 著 (北陸大学准教授/1963年生まれ) 2017年11月刊 A5判・406頁・上製本・函入 ISBN978-4-86602-009-9 C3039 8800円 (税別) |
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本書は、立山信仰の伝播者たる芦峅寺衆徒の東海地方での檀那場形成と、その地域で盛んであった三禅定の習俗について、特に江戸時代の実態について考察したものである。 この三禅定とは、富士山・立山・白山の三霊山を巡礼する、日本国内で最も壮大かつ苛酷な霊山・寺社の参詣旅行である。この三禅定関係史料が、なぜ芦峅寺の檀那場に多く残されているのか。本書では、これら道中記や、檀那帳を、32点・185頁におよぶ集計表としてまとめ、その分析を通して、立山信仰の広がりを明らかにする。 既刊『近世立山信仰の展開−加賀藩芦峅寺衆徒の檀那場形成と配札−』(岩田書院 2002)、『江戸城大奥と立山信仰』(法蔵館 2011)などに続く、新たな研究の方向を示す。 |
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【主要目次】 | |
第一章 | 霊場の形成と御師の活動 −越中立山に見る加賀藩と立山衆徒− 幕藩体制下における、加賀藩と、霊場立山と、芦峅寺・岩峅寺の御師。 |
第二章 | 富士山・立山・白山を巡る三禅定の時期的変遷 −三禅定関係史料の分析から− 江戸〜明治期の里程帳・道中記に記された里程・宿などから、巡礼コースを分析。特に、三禅定と白山山麓の馬場との関係。 |
第三章 | 芦峅寺宿坊家の尾張国・三河国・美濃国の檀那場と三禅定関係史料 芦峅寺衆徒の東海地方における檀那場形成について、福泉坊・大仙坊・日光坊などの檀那帳・奉加帳の分析から、その実態を明らかにする。 |
第四章 | 石造物資料に見る江戸時代の三禅定 |
第五章 | 芦峅寺宿坊家が東海道筋に形成した檀那場 −特に駿河国と横浜の事例− 実際の護符の頒布などは、村役人・町名主などの在地有力者に委託している。 |
第六章 | 芦峅寺衆徒が常陸国・上総国・下総国で形成した檀那場 −文献史上最北の檀那場− 日本全国に檀那場を形成していたとされる通説の、北限を明らかにする。 |
第七章 | 芦峅寺教算坊が大坂で形成した檀那場と立山曼荼羅 寛政12年の檀那帳の分析と、廻檀配札の際に使用された立山曼荼羅の検討。 |