江戸天下祭の研究
近世近代における神田祭の持続と変容
神田明神選書D

岸川 雅範(まさのり)
(神田神社権禰宜/1974年生まれ)


2017年11月刊
A5判・418頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-86602-014-3 C3039
8900円 (税別) 品切れ
評者:秋野淳一(『神社新報』2018.03.12  5面)
江戸天下祭とは、神田明神の神田祭と江戸山王権現(日枝神社)の山王祭の両祭礼を意味し、江戸幕府公式の年中行事であったため、明治になって自動的に終焉を迎え、その後は、都市祭礼・氏神祭礼へと変遷していくことになる。
天下祭の研究史は、多くの蓄積があるが、時代もテーマも断片的に行われてきたが、本書は、学位論文「江戸天下祭の歴史的展開に関する研究」(國學院大學)に加筆修正を加え、補論2編を付して、近世から近代に、神田祭が変容しつつも持続してきた姿を描く。
【主要目次】

序 章 江戸天下祭に関する研究史

第一章 江戸の神社祭礼−その形態と執行状況−
    (江戸神社祭礼の形態/災害・事故の影響/氏子の信仰と経済
     状況/社殿・神輿の大破と修復/江戸幕府との関係性)

第二章 江戸天下祭の主要素と歴史的展開−神田祭を中心に−
    (城内へ祭礼行列が入る/総軍の上覧/氏子町の行列/
     神田祭の日程/天下祭の歴史的展開と執行状況)

第三章 神輿−江戸幕府の「官祀」−
    (神輿行列の構成:二基の神輿、伝馬町の祭礼奉仕、小舟町、
     氏子諸侯/揉み担ぎへの可能性−神輿舁の形式)

第四章 山車・附祭−氏子町による祭礼行列−
    (山車と練物/屋台/附祭の誕生/附祭の変遷/附祭の終焉)

第五章 御雇祭−江戸幕府による祭礼行列−
    (御雇祭のはじまり/太神楽/こま廻し/江戸幕府所望の
     品替御雇祭)

終 章 天下祭、その後−神田祭の近代化−

補論1 将門信仰と織田完之

補論2 江戸・東京の祭礼文化−江戸天王祭を中心に−

【神田明神選書】既刊
@『天下祭読本−幕末の神田明神祭礼を読み解く−』
 (都市と祭礼研究会、雄山閣、2007)
A『江戸天下祭の世界−うたい おどり ばける−』
 (都市と祭礼研究会、岩田書院、2011)
B『江戸最盛期の神田祭絵巻−文政六年 御雇祭と附祭−』
 (福原敏男、渡辺出版、2012)
C『江戸の祭礼屋台と山車絵巻−神田祭と山王祭−』
 (福原敏男、渡辺出版、2015)

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