差別と穢れの宗教研究
―権力としての「知」―

門馬幸夫著

(駿河台大学助教授)

1998年1月刊
A5判・342頁・上製本・函入り
ISBN4-87294-97-4
6900円
1999年10月 2刷出来
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本書は、歴史や社会・文化、とりわけ宗教が、差別や抑圧の契機を孕み、それ自体、「権力」の装置として作用することを、宗教民俗学や宗教社会学の立場から分析しようとしたもので、部落差別と「穢れ」、差別戒名の問題、柳田と非差別部落民とされた人々の問題等々、今まで研究される事が少なかった分野を明らかにしようとしたものである。


【主要目次】

1宗教と差別
宗教と差別問題研究
恫喝と救済―「救済」のメタファとその論理構造―
文化におけるイデオロギーとプラクティス
説教に見る体制補強の論理あるいは差別イデオロギー
差別イデオロギーとしての「業」論と禅における道元の「業」論

2「穢 れ」
聖俗論と「穢れ」・共同体・カリスマ
「穢れ」と部落差別
差別イデオロギーとしての「穢れ」
「穢れ」と宗教民俗および「業」思想と部落差別

3差別戒名
差別戒名をめぐって―仏教と部落差別―
「権力」としての知―『禅門小僧訓』を読む―
東日本・桐生市の差別戒名

4被差別民と民俗
柳田國男と被差別部落の問題
誰でもの祭り―被差別部落の夜明し念仏―
桐生の被差別部落民とその周辺



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