昔話の伝承世界
―その歴史的展開と伝播―


武田 正著
(山形女子短期大学教授)

1996年3月刊
A5判・380頁・上製本・函入
ISBN4-87294-48-6
8800円 (税別)

昔話は、語りによって伝承されてきた。
本書では昔話の〈伝播〉を、もうひとつ大きい概念としての〈伝承〉として捉え、
時代や社会の変化の中で、昔話がどのように受容されていったかを、
伝承の基本である「語り」によって見ようとする。


【主要目次】

第1章 柳田国男の昔話世界へ
第1節 『遠野物語』流竄―初版と「拾遺」のあいだ―
第2節 『遠野物語』の衝撃―柳田国男の出発―
第3節 「遠野物語拾遺」の位相
第4節 「土佐源氏」を読む―民俗誌の新しい展開のために―
第5節 柳田国男の昔話学

第2章 昔話の運び屋
第1節 昔話の運び屋―そのお節介ぶり―
第2節 祭文語りと早物語―村共同体への定着の条件―
第3節 百物語―その成立とひろがり―
第4節 昔話語りの歴史的展開
第5節 比較民話研究について―研究のための〈比較〉の視角をどうするか―
第6節 世間話と昔話の間―「異人殺し」と「子守唄内通」―

第3章 語りの饗宴
第1節 昔話の受容―「桃太郎」と「瓜姫子」から―
第2節 メッセージとしての昔話―語りの構造を考える―
第3節 語りの落差―昔話のユートピアを中心に―
第4節 語りの座と「闇」・その後―聞き手の視座から―
第5節 口承文芸と民俗学―昔話を通して―
第6節 語りによる昔話伝承―昔話の主題との関連で―
第7節 昔話の子ども社会への定着


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