里神楽の成立に関する研究


石塚尊俊著
(日本民俗学会名誉会員/1918年生まれ)


2005年10月刊
ISBN4-87294-399-6
A5判・384頁・上製本・函入

9500円
民俗学研究70年、神楽研究50年の著者が、その主著である『西日本諸神楽の研究』(1979 慶友社)の不備を補い、そのごの研究成果を盛り込んで、里神楽の成立に関する諸問題を考察する。
出雲・石見・隠岐・備中などの神楽をくまなく歩き、そこから、全国的な視野で里神楽の見直しをはかる。

【主要目次】
神楽研究の視点
(神楽と民俗学/神楽の分類/神楽と舞・能/巫女神楽と覡神楽/伝承者の問題)
里神楽成立序説
(神楽という言葉/神懸り・託宣の神楽/神女神楽から社男神楽へ)
里神楽の伝承者について
(出雲の鼕取/隠岐島の神楽社家/吉備路の社男・法者/対馬の命婦と法者)
神魂神社末社早玉御神事
カミクラ考−クモの下方一間−
白蓋考
(分布と呼称・様式/操作とその目標−神勧請/生まれ清まり−白山のことども)
山の神出現の神楽
(出雲神楽の「山の神」/石見神楽の「山の大王」/土佐津野山神楽の「山探し」/日向米良神楽の「綱荒神」/出雲神楽の神能以前/在所の大神と荒振る神)
神話劇風の神楽の成立
−西日本における「岩戸」の場合について−
(岩戸の芸態/三重の周圏/神能以前)
五行神楽の分布と源流
−次第・比較・出拠−
切目の神楽考
(「切目」の構成/原形の模索/切目信仰の原郷/花祭りにおける切目の王子)
備中荒神神楽
(その梗概/式年神楽の次第/構成と系譜の問題)
出雲・石見の神楽
(出雲神楽/石見神楽)
隠岐島の社家と神楽
(神楽社家の問題/神楽次第/各段の梗概−島後久見の型を中心に)
神楽面−出雲・石見・隠岐
日向米良神楽
(米良荘と神社・社人/銀鏡神楽の次第/その分析)