一遍聖絵新考


金井 清光 著
(鳥取大学名誉教授/1922年生まれ)


2005年9月刊
A5判・356頁・上製本・カバー装

ISBN4-87294-393-7
9500円
中世絵巻物の最高傑作『一遍聖絵』の中から十二の名画(名場面)を選び、宗教絵巻の本質や原点がどこに表れているか、どんな意味をもっているかを論じ、一遍の宗教の本質を明らかにする。併せて、聖絵に見られる乞食・癩者などの被差別民についても検討を加える。
【主要目次】
『一遍聖絵』の十二名画
巻1「善光寺」   ―これが宗教画だ
巻2「菅生の岩屋」 ―秋の女神の紅葉
巻2「桜井の別れ」 ―春の女神の桜花
巻3「那智の滝」  ―山犬は御先
巻3「熊野本宮」  ―童子は不浄者
   付:賤視は南北朝・室町以降にあらず
巻4「福岡の市」  ―創作神話と空想画
巻5「祖父通信の墓」―転経念仏
巻5「雪中遊行」  ―村はずれの一本杉
巻6「富士山」   ―宗教画と創作神話
巻7「市屋道場」  ―堀川いかだ曳き
    補:乞食と癩者
巻8「丹後久美浜」 ―竜と非人
巻12「一遍入滅」  ―嘆きの一遍
総括と反省     ―柳宗悦批判

一遍の天王寺賦算と乞食
  一遍と金銭/天王寺の西門/乞食と賦算
『一遍聖絵』に見る草履・草鞋と被差別民の草履作り
『一遍聖絵』作成と聖戒・真教

武田佐知子編『一遍聖絵を読み解く』
今井雅晴著『一遍と中世の時衆』
栗田勇著『捨ててこそ生きる 一遍 遊行上人』
砂川博著『平家物語の形成と琵琶法師』
砂川博著『一遍聖絵研究』
大橋俊雄氏の人と学問

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