近世米作単作地帯の
村落社会
―越後国岩手村佐藤家文書の研究―

渡辺尚志編
(一橋大学助教授)

1995年11月刊
A5判・452頁・上製本・函入
ISBN4-87294-39-7
8803円 (税別)

「本書は、越後国頸城郡岩手村佐藤家文書を対象とした共同研究の成果であり、同文書を、その内部構造に留意しつつ総合的に分析することにより、近世米作単作地帯における「家」・村・地域の特質を明らかにするとともに、従来の近世村落史研究に対して若干の問題を提起しようとするものである。
 これまでも、近世村落史に関する共同研究は、共通の時期・地域・テーマなどを設定して数多く行われてきた。自治体史の編纂も、共通の地域を対象とした共同研究だといえる。そのなかで本書の特色をあげるならば、分析対象を一文書群とより狭く限定することによって、本書全体の統一性・求心性を担保しようとしたことである。こうして小さいながらも確固とした拠点を確保したうえで、できるだけ大きな議論を展開しようと心がけた。」
(「はしがき」より)
平成7年度文部省科学研究費補助金「研究成果公開促進費」交付図書


【主要目次】

第1章 越後国頸城郡岩手村佐藤家文書の構造 ……… 安藤 正人

第2章 越後地主地帯の大庄屋制支配 ……… 志村  洋

第3章 年貢米納入システムと郷蔵組 ……… 後藤 雅知

第4章 明治維新と村請制 ……… 渡辺 尚志

第5章 村落構造とその変容―割地と小作地経営をめぐって― ……… 舟橋 明宏

第6章 地主的土地所持と村落共同体 ……… 渡辺 尚志

第7章 他国稼と村社会 ……… 辻 まゆみ

第8章 佐藤家の蔵書と情報 ……… 高部 淑子

第9章 近世上農層における「家」と成員 ……… 岩淵 令治

終 章  ……… 渡辺 尚志


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