一遍聖絵研究

砂川 博著
(相愛大学教授/1947年生まれ)

2003年12月刊 
ISBN4-87294-300-7
A5判・386頁・上製本・函入

8400円
前著『中世遊行聖の図像学』(1999年・小社刊)の刊行後、『時衆文化』(時衆文化研究会:代 表・砂川)や『一遍聖絵の総合的研究』(砂川編・2002年・小社刊)などを通じて、時衆学・一 遍聖絵研究をリードしてきた著者研究の成果をまとめる。
【主要目次】
 
第1章 一遍聖絵の論点(続)―研究史を辿る―
第2章 『一遍聖絵』と『一遍上人絵詞伝』の先後関係
第3章 『一遍聖絵』とは何か
(金井清光氏の提言/助動詞の使い方/「縁起」の文体)
第4章 『一遍聖絵』における聖戒の視点
(智真の再出家と聖戒の出家/基長の「一巻の記」と「詩」/穴生寺の賦算/山内入道の帰依)
第5章 『一遍聖絵』を読み直す
(華台上人と聖達上人の僧房/菅生の岩屋/「平治物語絵詞」三条殿夜討巻/四条京極釈迦堂/超一・超二・念仏房の出家/天王寺賦算/三輩九品の念仏道場/筑前の或る武士の館/因幡堂の桜/佐久大井太郎の館)
第6章 一遍の「捨てる」思想―今井雅晴著『捨聖 一遍』批判―
(鎌倉時代の人々の処世観をめぐって/一遍にとっての「捨てる」意味について/その他の誤解)
第7章 一遍と地蔵信仰
(研究史素描/一遍の遊行と地蔵霊場/一遍と地蔵信仰の接点)
第8章 踊り念仏論
(今井雅晴氏の提説/一遍の念仏思想/踊り念仏の場と板碑/紫雲の意味/踊り念仏の性格)
第9章 「医聖」としての一遍
(念仏者横行に対する弾圧/医聖 一遍/因幡堂と悲田院/『天狗草子』の一遍/山岳修行者の系譜につながる一遍)
第10章 一遍の「北陸遊行」
(一遍と空海/金胎両部の垂迹神としての厳島神・気比神/善光寺への参詣路/北陸遊行の可能性/他阿に対する聖戒の配慮)
第11章 「開山弥阿上人行状」考
(研究の現状と問題点/聖絵との関連/聖絵との齟齬)
第12章 波多野氏と他阿弥陀仏
(波多野重通/大友頼泰/一遍の上洛/他阿の伊勢遊行)
書評と紹介
(大橋俊雄『一遍聖絵』/金井清光『一遍の宗教とその変容』/藤原正義『乱世の知識人と文学』)
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