第1章では、国家的な祈雨の成立とその展開を論じた。当初は諸社奉幣というスタイルが中心であったが、平安時代になると、各方面の様々な祈雨が導入されることになることを明かにし、併せて、国家の水旱に対する認識について考察した。第2章では、東密による祈雨を中心に論じた。空海請雨伝承の成立過程とその果たした役割について述べ、そこに登場する善如竜王の女性化の問題について検討を加える。そして醍醐寺座主の中に請雨経法の法流が取り入れられていったことを検証する。なお第3章では、水の信仰をはじめとする兵庫県内の歴史の道の調査を収録した。
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【主要目次】 |
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第1章 |
古代国家と祈雨 |
第1節 |
国家的祈雨の成立―飛鳥・奈良時代の祈雨― |
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大化前代の祈雨/国家的祈雨の成立 |
第2節 |
国家的祈雨の展開―平安時代の祈雨― |
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神祇的祈雨/仏教的祈雨/神仏習合的祈雨/その他の祈雨/平安時代における祈雨の展開 |
第3節 |
古代国家の水旱に対する認識とその展開―不徳・祟・理運― |
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不徳による水旱の災/祟によるもの/理運の災/詔・卜占に至るまで |
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第2章 |
善如竜王と清滝権現―東密による祈雨の成立と展開― |
第1節 |
空海請雨伝承の成立と展開 |
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空海請雨伝承の成立/空海請雨伝承の展開 |
第2節 |
善如竜王と清滝権現―祈雨と竜女成仏譚について― |
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善如竜王の女性化/善如竜王と清滝権現/清滝権現伝承の成立と展開 |
第3節 |
請雨経法と醍醐寺 |
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請雨経法の成立と危機/請雨経法の法脈と醍醐寺/請雨経法の衰退/醍醐寺の祈雨の成立 |
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第3章 |
現代に伝わる雨乞儀礼と歴史の道 |
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兵庫県千種町鍋ケ森神社の信仰/加古川流域の水の信仰/円山川流域の水の信仰/淡路 島のジマツリと雨乞/巡礼聞き書き/山陽道の民俗聞き書き/峠と宿と市の民俗 |
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