民俗の地域差・地域性について、著者の長年の研究調査をもとに、出雲・石見・伯耆など中国地方の違いに注目し、さらに同じ真宗地帯である安芸門徒地帯と北陸同行地帯との違いを詳細に検討する。また、「民俗研究の今までとこれから」「回顧稽今-民俗学会創設のころ」「柳田国男翁の書簡」を収める。
|
|
【主要目次】 |
|
民俗研究の今までとこれから―序に代えて― |
|
研究と現況のずれ/民俗誌と民俗史/社会と生活の変化/民俗の地域性の問題/他 |
在来信仰の消長と宗旨―中国地方における在来信仰と地域の宗旨および社会構造の関係― |
|
浄土真宗と在来信仰/真宗浸透の現状と歴史/真宗受容の社会的背景/他 |
出雲と石見 |
雲伯民俗の共通とその背景 |
|
年中行事/伝承圏の重層・民俗区画/宗旨との関係/自然条件と歴史的経緯/他 |
俗信の地域差とその基盤―憑きもの研究梗概― |
|
憑きものの種類と分布/憑きもの筋の性格と成立/憑きもの信仰の系譜/他 |
明治改革以前における村氏神の地域差―近世地誌による中国地方12か国の比較― |
|
勧請神社の系譜と勧請の経緯/勧請神社の地域差と基盤/他 |
真宗地帯における非教義要素の地域差―安芸門徒地帯と北陸同行地帯との比較― |
|
分布図による鳥瞰的比較 |
|
フィールドワークによる比較(安芸門徒地帯/北陸同行地帯/両地帯の深度差) |
|
非教義要素多寡の背景 |
回顧稽今―民俗学会創設のころ |
|
柳田翁の偉業と残影/民俗学研究所研究員のころ/行政調査の意義と問題点/他 |
柳田国男翁の書簡 |
|
|