環境歴史学の視座

橋本 政良編著
(兵庫県立姫路工業大学 環境人間学部教授)

2002年1月刊
A5判・240頁・上製本・函入
ISBN4-87294-229-9
4900円
品切れ
「環境歴史学は、…過去の事象を当該時代の特質性において意味を解明する通常の歴史学的作業をしつつ、現代に残された歴史的環境を通して、過去と現代をつなぐ作業をおこなおうとするものである。筆者が「間時代学」と名づける視点が生かされることによって、環境歴史学が新しい学術的領域として、その可能性をひろげていくのではないかと考えている。」(本書「序章」より)
【主要目次】
序 章 環境歴史学の可能性 橋本 政良
環境問題の現況/環境問題は文化の問題である/環境史と環境歴史学/環境歴史学の可能性―「間時代学」的発想
第1章 琵琶湖に生きる―水位変動と古代人の生活環境 大橋 信弥
琵琶湖湖底遺跡の現状/湖底遺跡の調査から
第2章 再び天平九年の疫病流行とその影響について 福原 栄太郎
正税帳に見る疫病の痕跡/天平九年の人口の減少/天平十年の巡察使と地方行政
第3章 律令国家の辺境政策と環境―出羽国を中心に
出羽における城柵造営と人々の生活/征夷政策と環境 渡部 育子
第4章 平安京の臭い―排泄臭・屍臭をめぐって
平安京の排泄臭/災害と死体・屍臭/散在する死体と屍臭/記録にみえるかおり 安田 政彦
第5章 書写山円教寺の歴史と環境―信仰の霊場・憩いの山 橋本 政良
性空上人の事蹟と草創期伽藍/後継者の時代/環境 としての書写山
第6章 安藤昌益における環境思想をめぐって 新谷 正道
昌益の五行論/自然の病/「進退」する生死観と家族の論理/自然の運気循環/生命を育む「直耕」/昌益の鉱山開発批判/天道・人道論
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