女たちのちょっと昔
―漁師町 浦安の民俗誌―

長野 ふさ子著
(桐朋学園大学短期大学部非常勤講師/
1947年生まれ)


2001年11月刊
A5判・220頁・並製本・カバー装
ISBN4-87294-223-X
2300円
 東京ディズニーランドのある町、千葉県浦安市。そこは、地下鉄「東西線」が開通するまでは、陸の孤島といわれていたが、明治以前は大都市江戸近郊のマチで、江戸湾沿岸の、漁をすればすぐに日銭のはいる、半農半漁のマチだったのである。
 「浦安に通いはじめてもう何年になるのであろうか、最初は話をお聞きしながらも、何か遠い世界の出来事のような気がしてとまどっているだけであった。浦安というマチの暮らしや話は、当初、私にとってまったく未知の世界だったからである。それが次第次第に話のおもしろさに興じることができるようになり、人が生活することの意味といったものに、浦安を通じて関心を深くすることができたように思える。もっと大げさに言えば、浦安で新しい世界を発見したともいえる。一つは、都会の生活では失われてしまった共同体のことであった。(中略)もう一つの発見は女たちの暮らしであった。」(本書より)
【収録内容】
第1部 浦安ちょっと昔
町・浦安(浦安の町 九尺二間の棟割り長屋 宵越しの金は持たない ほか)
女たちの昔(奉公 貝掘り 結納 嫁どり 腹帯 産毛そり ナガレカンジョウ お宮参 り 端午の節句 薬とまじない 川端と女 針仕事 八幡のマーチ 服装 糠袋 髪を 洗う 二十三夜マチ 海苔作り 草刈り ウリット 魚問屋の奥さん 借金取り 団子 づくり サトッコロガシ アサリのだし 呼び名 ネンブツ講 イチッコ ほか)
女と男の昔(葬式 正月準備 正月三が日の風景 七草 蔵開き センゾマンゾ 十五日 粥 デエハンニャ 初馬 お滝さん金蔵寺 ヤクサマ 弁天様 大師講 ナナトコメイ リ お盆 山倉様 福神漬け 月見 お手玉 子守歌 悪口言葉 田中屋火事 ほか)
男たちの昔(ものぐさ 力自慢 ワカイシュウ マーチ ばくち 漁具 男たちのユウヤ 不動さま カルメヤサン オオシュウコウ)
第2部  ムラのシステムと女たちの場
町・浦安/男女の付き合い/家政と主婦/家の中の秩序/女たちの労働/ケガレと女たちの楽しみ/システムとしてのムラ社会 
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