年中行事と生活暦
―民俗誌への接近―

倉石 忠彦著
(國學院大学教授/1939年生まれ)

2001年4月刊
A5判・184頁・並製本・カバー装
ISBN4-87294-205-1
2800円 品切れ


「こうして整理してみると、日常と非日常とを総合的にみようとして生活暦を構想したことに改めて気づく。つまり、長い間、ハレとかケとかいう概念を越えて、ともかく私達の生活のあり方を、どのようにすればより的確に捉らえ、再構成することができるかを問題にしていたのである。それは一定の枠組みを前提として、それに合わせて伝承的な世界を再構成するのではなく、現実に生活している実態のなかから伝承的世界を発見する方法である。その一つの試みとして時間を機軸とした方法を考えてきたことになる。」 (本書「あとがき」より)


【主要目次】

T 年中行事と民俗誌
   問題点の所在/民俗誌/年中行事の扱い

U 長野県の年中行事
 濁池の信仰と年中行事―飯山市富倉―
   生活の展開―法恩講をめぐって―/ムラの組織
 大河内の年中行事―下伊那郡天竜村―
   正月準備/正月/2月―7月/8月―12月/年中行事の構造
 木曽の正月行事―木曽郡楢川村川入―
   正月準備/大晦日と元旦の儀礼/大正月の構造/小正月の展開
 
V 生活暦の試み
 年中行事と生活暦
   年中行事とは何か/年中行事と生活暦/生活暦の内容
 生活暦の展開と構造
   1年間の生活暦/生活暦の様態
 生活暦の変貌
   ムラの生活暦/マチの生活暦

W 民俗都市の把握
   民俗的世界の把握/都市の発見/都市における民俗調査に向けて



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