古代史研究叢書@
日本古代の駅伝と交通

森田 悌著
(群馬大学教授)

2000年2月刊
A5判・260頁・上製本・函入
ISBN4-87294-159-4
5400円
交通は突き詰めれば人と人とを結びつけるシステムのあり方であり、国家をはじめ、あらゆる組織の存続に不可欠な要素である。
そこで本書では、古代日本における交通に関わる問題について考察を行なう。
第1章「駅伝制」では、駅子の員数の検討をし、伝制に関して駅路と異なる伝路は想定しえないという考えから、伝路想定説を批判し、駅家利用の実態や伝馬衰微の理由を考察。
第2章「駅路」では、考古学や歴史地理学の成果を視野に入れつつ、文献史料に基づき、東海道・東山道などについて、具体的に論じる。
第3章「北辺の交通」では古代東北地方の問題をとりあげ、北辺では陸上交通より水運が便宜であったことを指摘し、さらに粛慎・靺鞨や、出羽国府の所在地について論究。
第4章「海外交渉」では、遣唐使・渤海史に関して論じ、外国使節のもたらす国書の類をどこで最初に開見するかについて論じた。そして付編では、本書に収録した研究をすすめるに当たり依拠した史料について、考察を行なっている。
【主要目次】
第1章 駅伝制
駅戸・駅子の員数/伝馬考/伝馬と駅路/伝馬の利用者とその変質
第2章 駅路
武蔵・下総間の駅路/上野国内の東山道/東山道武蔵支路/上野国佐位郡の古代/女堀名称考
第3章 北辺の交通
古代東北と舟運/粛慎と靺鞨/秋田城と出羽国府
 
第4章 海外交渉
大宝度遣唐使と「国史云」/渤海首領考/蕃国国書の開見
付編 「遠江国浜名郡輸租帳」の史料性/『令義解』の撰進過程
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