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おんなのフォークロア
武田 正著
(山形女子短期大学教授) |
1999年3月刊
A5判・244頁・上製本・カバー装
ISBN4-87294-136-5
4800円 品切れ |
「一篇一篇を書くなかで、私なりの一つの〈物語〉を描いてみようとした。〈物語〉という言い方は語弊をまぬがれないことだが、〈おんなの物語〉を描くことで、女が生きて行くなかで、自分をふるい立たせて、生きることに力となっているのは何かを見、それを未来に繋いで行く姿を描きたいと思ったのである。それは一人一人の女が織る「曼陀羅」でもあると思い、そしてそれを書き終えたときに、より大きな「曼陀羅世界」が織り上げられればさいわいと思った…
もし女がこの貧困な東北地方にいなかったら、ずっと以前に東北地方は滅んでいたのではないだろうか。女がその崩壊をどのように喰い止めてくれて来たかこそ、私のテーマであり、視座のつもりであった。
文章は平易を心掛けたが、それは必ずしも啓蒙でも入門の意味でもなく、むしろどこに問題があるかを、読んで下さる方々に伝えたいということからである。」(あとがき より) |
第1章 むすめの時代 |
女の力/石女/愛情の交感/そそげの呪力/一生のつきあい/嫁えらび/嫁盗み/女大学/他人の飯/良妻賢母の到来 |
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第2章 よめの時代 |
嫁は異界から/柿の木問答/花雑布/水祝い/産神考/子を産む/母と子/犬の出産・熊の腹帯/母の安堵/ムラが子を育てる/子をおもう/間引きの子/苞もれ/おんなの願い |
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第3章 主婦の時代 |
家を守る/昔話語り/捨てる・拾う/オナカマ・瞽女/流れ潅頂/産女と山姥/母の思い/火もらい婆/祖母の昔語り/世話焼き婆/昔話を語らぬ老婆/ころり薬師 |
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