民俗と地域社会

福澤昭司著

(長野県松本市立丸ノ内中学校教諭)

1998年6月刊
A5判・302頁・上製本・函入
ISBN4-87294-117-9
5900円


大学の奥深く秘蔵されて黴の生えた感のある「民俗学」を白日の下に引き出し、地域からの再構築を図る、という著者年来の願いに基づいて執筆された論考を集大成したのが本書である。
ややもすると方法論とフィールドワークが乖離し、あるいはどちらかに偏りがちな民俗学の研究状況にあって、地域にこだわりつつ方法論にも目を配った本書は、今後の研究はもちろん、調査する者の在り方について、新たな指針を与えてくれるに違いない。


【主要目次】

第1編  地域研究の視点
第1章  地域研究の歴史
  長野県における「郷土」研究のあゆみ/向山雅重の地域研究/民俗誌のゆくえ
第2章  地域研究の視点
  地域研究の視点―天竜村坂部によせて―/この地からの民俗学を―夏季調査の意義―/民俗学と学校教育

第2編  地域研究の実際
序 章  地域分析の方法
第1章  地域社会の統合
  儀礼的盗み/マチとサトとヤマ―松本市を例として―/鳶のいたマチ/背負具にみる長野県の地域性
第2章  異なる事象の一致
  病と他界―長野県内の麦粒種の治療方法の考察から―/両墓制と他界観/長野県南佐久郡臼田町清川の両墓制―葬送儀礼からの解読―
第3章  地域社会の深層
  伝説と史実と/タイシコーの盗みと殺し/ヤミ/異界へのいざない


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