古代民衆寺院史への視点

木村 衡著
(前 神奈川県相模原市立博物館学芸員/
1964-2003)

2004年5月刊 
ISBN4-87294-036-9

A5判・240頁・並製本・カバー装

2800円

「今年の4月に、6年間勤務した教育委員会の文化財保護部局から、博物館に移動しました。埋蔵文化財行政の担当者と博物館考古担当学芸員という、似て非なる業務をどのようにこなしていくか、目下手探りの状況です。…私は、平安時代の仏教関係遺跡を中心に勉強をしており、考古資料は時代が古くなればなるほどわからなくなってゆきます。」
2003年5月、38歳の若さで逝去した著者の、研究者・学芸員としての声を再録する。
【主要目次】
木村衡君のこと────────神崎彰利
T 古代民衆寺院史試論
墨書土器から見た「三千寺」
古代地方の山林寺院について
古代のいわゆる「村落内寺院」をめぐって
古代の地方寺院の研究の現状
田名坂上遺跡出土奈良三彩陶器小壷についての覚書
地方における古代の仏堂
地方における奈良三彩陶器小壷
東国における仏教関連遺跡
U 文化財保護への模索−遺跡・遺物は誰のものか−
歴史学と考古学/歴史資料の集成とその活用/相模原市橋本遺跡出土の壷型土器について/市町村における文化財保護行政と地方史/地方史史料の保存活用と文化財保護/大平氏の批判に対して/博物館の「財」と「価値」に関する研究ノート/埋蔵文化財保護の受益者をめぐって
V 博物館学芸員として
デジタルミュージアムと地域博物館/遺跡出土資料の再整理について/地域博物館と考古学/縄文人の「環境問題」/石器時代から見る未開と文明/遺跡が街にやってくる/運ばれてきた黒曜石/学芸員のつぶやき(発掘調査をめぐるあれこれ/旧石器捏造事件)
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