No.865 (2014.05)

【「知の容れ物を作り続ける」】

 これは雑誌『ひととき』に載った岩田書院の記事(前回の「裏だよりNo.849」参照)の見出しです。記事そのものは「この熱き人々」という吉永みち子さんの連載企画で、この私が「熱き人」かどうかは問わないにしても、「知の容れ物」ということについては、たしかに自分でも意識している。
 岩田書院の本は、ページ数・装幀・価格帯で、何種類かのパターンを作っている。

 A:1500円前後。100頁前後で並製。ブックレトがこれにあたる。半日程度のシンポジウムの成果をまとめるには、これ。

 B:3000円前後。200頁前後で並製・カバー装。シリーズ名はつけてないが同じような装幀にしている。400字原稿用紙500枚くらいで、1冊の著書にするには枚数が足りないものや、1日程度のシンポの成果をまとめるには、これ。

 C:5000円以上。250頁超で上製。函入またはカバー装。時代別叢書などは函入、共同執筆の論文集などはカバー装(日本史系は紺色、民俗系は臙脂色)。学位論文や、執筆者が10人以上になる記念論集などは、これ。2日にわたるシンポも、これで。

 こうして「容れ物」を用意しておくと、著者・編者のほうでもイメージを作りやすいので、話しが早い。このへんは、私も、ちゃんと考えているのですよ。