No.186  2000年11月

【発行部数/定価/装丁 】

 専門書の発行部数は 一般的には何部くらいなのだろうか。出版界の業界紙「新文化」(2000.10.26)によると「専門書の発行部数といえば2000から3000部が中心」とある。筒井康隆『文学部唯野教授』によれば、文部省の出版助成金の申請部数は「1800部」とあ(最近でた岩波現代文庫版でもそのままになっている。岩波では、1800部というのは非常に少ない部数なんだ)。こんなに専門書が作れるのか?、岩田書院のような600部というのは「超専門書」か?。国文学のような400部、300部というのは、もはや「本」ではないのか?。
 ところで先日、読者からハガキをいただいた。上製本・函入である必要はないので、その分、定価を安くしてほしい、と。確かにそのとおりである。400頁の本で、上製本・函入・8000円と、並製本・カバー装・7000円と、2種類の本があったら、たぶん安いほうを買うだろう。でも 400頁・並製本・7000円の本だけを見たら、高いと感じて買ってくれないのではないか。そんな気がしてならない…。