飯沢文夫編『地方史文献年鑑 1997』
評者・小生方麻里 掲載誌・『書誌年鑑2000』2000.12 日外アソシエーツ


 多くの出版物を世に送り出す日本だが地方史の情報となると流通は遅れている。
 そんな状況の中で地方史研究団体が発行する雑誌の目録を紹介する文献として『月刊 歴史手帖』で連載する「地方史雑誌文献目録」があったのだが1997年に残念ながら、掲載誌のほうが休刊となってしまった。
 その『歴史手帖』を受け継いで創刊されたのが『地方史情報』で、これはほぼ月刊のペースで刊行しているのだがその中に「地方史研究雑誌目次速報」を連載している。
 そして更なる研究の便宜を図り、研究成果を組織だったものとする為に蓄積したデータを、年次単位で集約して刊行するように至ったのが本書である。
 地方史文献目録等の、レファレンスツールの出版が立ち遅れているなかで、本書は大変充実した内容の文献といえるのではないだろうか。
 まず年鑑だということ。雑誌の目次を掲載することによって、その内容がわかるということ。また情報がより活用されるように各雑誌に発行所・電話のほかに、各都道府県立図書館、国立国会図書館他の所蔵についても調査掲載するなどの配慮がされている。
 刊行にあたっては『地方史情報』によせられた地方史研究雑誌のデータをもとにし、またより完全制を高める為全国都道府県立の図書館の協力を得ている。本書は多くの地方図書館などの協力の上に、編集されているので、信憑性の高い年鑑といえるだろう。
詳細へ 注文へ 戻る