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三ッ塚廃寺跡史跡指定30周年記念講演会の記録 故 高井悌三郎先生を偲んで 旧丹波三ツ塚遺跡発掘調査団編・刊 2006年9月刊 A4判・114頁・並製本 1000円 (税別) |
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「三ッ塚廃寺跡」は、兵庫県丹波市市島町に所在する白鳳時代の寺院跡で、昭和51年(1976)に、国の史跡に指定された。史跡は現在「三ッ塚史跡公園」として整備され、市島民俗資料館には、三ッ塚廃寺跡や、すぐ東側の天神窯跡から出土した資料が展示されている。
その発掘・整備に尽力されたのが、故・高井悌三郎氏(辰馬考古資料館長、2004年没)で、史跡指定30周年を機に、発掘調査団長であった氏を偲 び、当時発掘にあたられた3氏に講演を依頼して開催されたのが、今回の記念講演会である(2006年8月12日、丹波市・ライフピアいちじま)。本書に は、講演会の記録(テープ起こし)のほか 当日配布資料などを収録。 丹波国氷上郡は、三ッ塚遺跡調査後、「里長」関連木簡で著名な山垣遺跡、奈良〜平安時代の重複する極めて多数の掘立柱建物群を検出した七日市遺跡、郡衙関連の木簡を出土した市辺遺跡などの発見が目白押しで、律令制下の郡を研究する上で、避けては通れない地域でもある。 本史跡は、白鳳時代に創建された寺院跡である。三ッ塚と呼ばれていた遺構は東西両端の二基が東塔および西塔跡で、中央の基壇が金堂跡である。寺域周辺から掘立柱建物群が検出され、東側には、この寺に屋瓦を供給した瓦窯が発見されている(天神窯跡)。 このように、三ッ塚廃寺跡は特殊な伽藍配置をもつばかりでなく、この寺院跡と密接に関連すると思われる建物群なども含めて、他の白鳳時代の遺跡とは異なった性格をもつ地方寺院跡である。 |
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【収録内容】 | |
ごあいさつ(田辺征夫) | |
丹波三ッ塚遺跡四半世紀の調査−三ッ塚廃寺跡と天神窯跡− | 五十川伸矢 |
双塔伽藍の系譜 | 上原 真人 |
古代氷上郡と三ッ塚遺跡 | 橋本 久 |
閉会の辞(黒田慶一) | |
付1:講演会当日配布資料(旧丹波三ッ塚遺跡発掘調査団 | |
付2:国史跡三ッ塚廃寺跡パンフレット(丹波市教育委員会) |
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