郡上藩 宝暦騒動史


白石 博男 著
(元 白山文化博物館長/1936年生まれ)


2005年8月刊
A5判・604頁・上製本・函入

4000円
品切れ
 宝暦4年(1754)、美濃国郡上藩主の金森氏の収奪強化策に対し、農民は強訴や老中への駕籠訴・箱訴で抵抗、同時に藩預かり地の越前石徹白の神職をめぐる騒動の箱訴が重なり、評定所の審議となった。結果は、老中ら幕閣の処分、藩主の改易となったが、農民側にも多数の犠牲者がでて、宝暦8年、5年間におよぶ郡上藩宝暦騒動は幕を閉じた。
本書は、この宝暦の百姓一揆の全貌を明らかにするものである。
記述にあたっては、できるだけ史料を多く載せ、現代語訳や大意を付すようにした。
第1章から第7章までは騒動の経過を時間軸に沿って述べ、第8章では70数名の列伝を記し、最後の第9章で歴史的意義を考察する。
【主要目次】
 
第1章 郡上藩宝暦騒動の背景
 (宝暦騒動前の郡上藩/宝暦ころの郡上と金森氏の財政難)

第2章 郡上藩の租法改定企図と農民の抵抗
 (検見取申し渡しと8月10日百姓強訴/郡上藩の画策と農民の抵抗/江戸出訴と郡上藩の弾圧強化)

第3章 江戸幕府への駕籠訴
 (駕籠訴決行/駕籠訴後の動き/駕籠訴人と村方三役30人組)

第4章 駕籠訴人村預けと郡上藩の動き
 (駕籠訴人帰国・村預け/立百姓の盛り上がりと入用金徴集/西気良村甚助処刑)

第5章 歩岐島騒動と箱訴
 (歩岐島騒動/喜四郎・定次郎の脱走と関寄合所から江戸両人への書状/箱訴/箱訴後の動きと関寄合所の活動)

第6章 評定所裁判と幕府要人への判決
 (本格的裁判開始/老中本多伯耆守罷免と裁判の進行/講釈師馬場文耕事件と金森頼錦吟味中お預け/幕府役人への判決)

第7章 厳しい吟味と藩主藩吏・農民への判決
 (峻烈の吟味と病人・牢死者続出/評定所裁許−藩主・藩吏への判決/郡上農民への判決/判決後の動き)

第8章 宝暦騒動人物列伝
 (義民列伝/お預け人金森頼錦の最期)

第9章 郡上藩宝暦騒動の結果と歴史的意義
 (郡上藩宝暦騒動の結果/郡上藩宝暦騒動の歴史的意義)

郡上藩宝暦騒動史参考文献