御門訴事件
品川県社倉反対騒動

飯畑幸男著


2015年9月刊
A5判・338頁・並製本・カバー装
2000円 (税別)
【藤野敦氏評】
「御門訴事件」とは、明治3年、品川県の社倉政策に対し武蔵野新田12カ村が異を唱え、県庁に門訴を行ったできごとである。「品川県社倉騒動」と示す場合は、事件から廃県後明治10年代に至るまで、旧県下全町村が供出した社倉金の全額返還を大審院判決によって勝ち取るまでの一連のできごとを表す。(中略)本書の成果は以下の4点に見られる。
@研究対象となった各地域の史料を総覧し、経緯の整合性を確認したこと。A全体的な研究状況の到達点を明らかにしたこと。B平易な文体で、十分な水準の内容をわかりやすく伝えていること。C現代的な立ち位置からの解説と当時の状況下での解釈を行き来させつつ、一定の視点を示していること。(後略) (『地方史研究』381 2016.6 より)
【主要目次】

序 章 事件のあらましと意義
第1章 事件は失政から始まった
第2章 人民不在、信なき政治
第3章 権力者に罪意識はない
第4章 民を欺き信義を失う故の騒動
第5章 裁くのは事件の一方の当事者
第6章 拷問虐待虐殺思いのまま
第7章 判決もなしに消されていく
第8章 後始末はどうなったのか
第9章 積立金は国庫からの補填で返還
第10章 モニュメントが語りかけるもの
終 章 この事件は何だったのか
参考文献/年表/関係旧跡・遺物/関係12か村の村勢

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