儀礼と芸能の民俗誌

橋本 裕之 著
(追手門学院大学教授/1961年生まれ)


2015年10月刊
A5判・366頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-921-6 C3039
8400円 (税別)
評者:小岩(『全日本郷土芸能協会会報』82  pp23  2016.01)評者:川森博司(『神戸女子大学古典芸能研究センター紀要』10  pp145-148  2016.06)評者:高山茂(『演劇映像』58  pp37-41  2017.  早稲田大学演劇映像学会)
「私は長らく継続してきた研究活動の一部として、「古墳の民俗誌」「奈良の儀礼と芸能」「奈良坂小考」「笑いの儀礼と芸能」「演技の民俗誌」という主題に収斂するような各種の論文を発表してきた。そして今回、こうした成果を取りまとめて、ようやく『儀礼と芸能の民俗誌』として刊行することができた。
 本書の特色は、民俗学や民俗芸能研究において多くのばあい退屈な起源論に終始してしまいがちであった「儀礼から芸能へ、芸能から儀礼へ」という関心を脱―中心化していることである。こうした試みは儀礼と芸能の連続性と不連続性を主題化するのみならず、『儀礼と芸能の民俗誌』という表題が包括するような多種多様な対象を比較するためにも、きわめて有効な手がかりを提供しているものと思われる。」(本書「あとがき」より)
【主要目次】

儀礼から芸能へ、芸能から儀礼へ ―「民俗芸能」再考

T 古墳の民俗誌
装飾古墳の民俗学
儀礼・芸能における古墳の再利用 ―白鬚神社の丸祭と田楽

U 奈良の儀礼と芸能
神名の徳、仏法の声 ―春日若宮おん祭と芸能
春日大社の社伝神楽 ―東山中との関連を中心に
水間・八幡神社の田楽、相撲、馬駆け
丹生・丹生神社の横とびと相撲

V 奈良坂小考
奈良坂小考、あるいは場の記憶をめぐって
芸能としての救済 ―続・奈良坂小考
跳躍する翁 ―続々・奈良坂小考

W 笑いの儀礼と芸能
荒蒔の秋祭 ―奈良県天理市荒蒔
「もどき」の視線 ―道化からみた神代神楽

X 演技の民俗誌
芸能と野性
演技と自然 ―民俗芸能が自然環境を利用する方法
演技の民俗誌 ―松戸市大橋の三匹獅子舞
歌詞が引き出す身体技法

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