天平期の僧と仏
−行基・鑑真・道鏡、そして良弁−

根本 誠二 著
(筑波大学名誉教授
大正大学非常勤講師/1949年生まれ)


2015年7月刊
四六判・200頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-920-9 C3021
3400円 (税別)
評者:駒井匠(『古代文化』68-2  pp142  2016.09)
『日本国霊異記』を読むと、山中の寺院で一人の僧侶(僧:ほうし)が、もろもろの願いの成就をもとめ、一心不乱に仏像(仏:ほとけ)に祈りをささげ、さらには村々の男女が、身近にある仏にひたすら祈りをささげている姿を知ることができる。
著者は、和辻哲郎『古寺巡禮』等に導かれつつ、天平時代のシンボルとされる奈良の寺々に安置されてきた仏とそれを礼拝してきた良弁をはじめとする数人の僧とが織りなす祈りと信仰の世界の一端をひもとき、文献資料から見える僧の行動・思想だけではなく、人々の心の中に生き続けてきた仏の世界を描くことを試みる。
【主要目次】

第1章 僧(ほうし)と仏(ほとけ)へのまなざし
 1 天平期の僧へのまなざし
 2 藤原氏と天平の僧
 3 天平の仏へのまなざし

第2章 作仏の僧行基の寺と仏
 1 伝承化のはじまり
 2 伝承寺院にみる行基像
 3 仏への信仰と行基
 4 文殊と行基
 5 行基作仏の霊験

第3章 鑑真の唐招提寺
 1 鑑真の来日
 2 鑑真と如宝
 3 如宝と空海

第4章 道鏡の西大寺と良弁の東大寺
 1 西大寺の道鏡
 2 説話の道鏡
 3 良弁の東大寺
 4 良弁の行実

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