アワシマ信仰
女人救済と海の修験道

有安 美加 著
(奈良女子大学大学院博士後期課程修了/聖護院史料研究所客員研究員)


2015年8月刊
A5判・278頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-918-6 C3039
3600円 (税別)
「アワシマ信仰は、和歌山市の加太淡嶋神社を本貫とし、主として安産と婦人病平癒の他、裁縫上達・縁結び・夫婦和合など、女性のセクシュアリティとジェンダーに関わる事柄について、アワシマの神様に守護や利生を祈願する民間信仰といわれている。…主に遊里の女性などに広がり、最盛期には全国に2000社ともいわれる神社祠堂が勧請されたという。」(本書「序章」より)
本書は、その地域的特徴と歴史的変遷を、文献資料と全国調査から明らかにしつつ、紀伊半島の基層信仰が女人救済信仰へと変容していった経緯、その主体に海洋世界に生きた山伏の存在があったことを明らかにする。
【主要目次】

序 章

第一章 アワシマ信仰の諸相
    一 近世資料に見るアワシマ信仰
    二 アワシマ信仰の現況

第二章 アワシマ信仰と少彦名命
    一 アワシマ神少彦名命
    二 少彦名命と薬師如来の習合

第三章 伊勢志摩と紀伊加太のアワシマ神
    一 伊勢志摩のアワシマ神
    二 日前国懸宮と加太淡嶋神社
    三 加太淡嶋神社と伽陀寺

第四章 中世のアワシマ信仰
    一 習合神道の展開とアワシマ信仰
    二 中世後期の加太淡嶋神社
    三 中世後期アワシマ信仰の達成
       −「女人救済」と「海の修験道」−

第五章 調査紀行 −各地の事例−
    一 全国の事例
    二 近代養蚕地帯のアワシマ信仰 −群馬・福島県の事例−

資料編 全国アワシマ社堂所在地一覧 ほか

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