佐賀藩多久領 御家中寺社家由緒書
岩田書院史料選書4

大園 隆二郎 監修
多久古文書学校 校註


2015年7月刊
A5判・136頁・並製本
ISBN978-4-87294-915-5 C3321
1200円 (税別) 品切れ
本書は、佐賀県多久市の浄土宗専称寺所蔵の「御家中寺社家由緒書」を翻刻し校注を加えたものである。本史料は、文化12年に『丹邨邑誌』の編者でもある深江順房によって編纂されたもので、多久領内85寺社(多久家管理の佐賀城下も含む)の由緒書で、多久市の文化団体「多久古文書の村」の活動の一環である古文書学校のメンバーによって初めて活字化。
【大園 隆二郎:監修の辞より】
「(前略)本書の特徴を三点挙げてみたい。第一は、如何なる咎を犯したものであっても、張られた注連縄のなかに走り込めば、その罪を赦されるという伝承の記載があることである。…第二は、地元で作成された記録の記載の豊かさであろう。…第三は、江戸幕府が諸藩に命じた寺社差出のもともとの形が瞥見されることである。(下略)」
【秀村 選三:跋より】
「(前略)それは、犯罪を犯した者が高野寺の谷口に張られた注連縄の内に逃げ込むと捕らえることが出来ないと書かれていて、いわゆるアジールと云われているものです。(中略)網野善彦さんにこのことを話したら、その場所を見たいと言われたので、細川章さんに高野寺に案内してもらうことにして、多久に来てもらいました。(下略)」
【片倉 日龍雄:あとがきより】
「着手から17年、ようやく上梓する運びになった。…本資料集の刊行が企画されたのは平成9年からと思われる。…平成18年、片倉が細川先生から「専称寺文書」の原稿コピーとともに原稿を預かった。…全行程の半分程度進んだところで…未了のままとなった。平成25年6月から細川先生は長期入院され、平成26年3月、不帰の客となられた。(下略)」
【収録寺社名】(掲載順)

妙覚寺・円通寺・正善寺・大梅寺・正蔵寺・万福寺・地福寺・龍雲寺・宝林寺・福寿院・福聚寺・西光寺・感応寺・通玄院・龍沢寺・東照寺・清心寺・龍照寺・専称寺・聖光寺・天徳寺・聖恩寺・永源寺・永福寺・歓喜寺・延寿寺・瑞応寺・長生寺・延命軒・宝蔵寺・本覚寺・等覚寺・青龍寺・虎渓庵・龍造寺・野水庵・顕證寺・常行寺・勝満寺・泰林寺・昌福寺・岩松軒・富泉禅院・長寿寺・常福寺ほか 計85寺社

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