古文書にみる武州御嶽山の歴史

武蔵御嶽神社及び御師家古文書学術調査団(団長:馬場憲一)編

2015年3月刊
A5判・164頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-908-7 C3021
2400円 (税別)
者:外山徹(『多摩のあゆみ』161  pp88-89  2016.02)評者:西村敏也(『山岳修験』58  pp15-118  2016.09)
東京都青梅市に立地する武州御(み)嶽(たけ)山(さん)は、関東屈指の山岳信仰の霊場として広く知られている。江戸中期以降は、御師による布教活動によって御嶽講が組織され参詣も非常に盛んとなり、明治以降、その信仰圏は関東全域から、東海・甲信越まで及んでいた。
この古くからの歴史を有する武州御嶽山(現・武蔵御嶽神社)と御師家で所蔵している古文書については、1995年以来、法政大学と青梅市が共同で調査団を組織し学術調査を行ってきており、これまでに古文書目録3冊、史料集4冊を刊行してきた。
それら学術調査を通して明らかになった研究成果を広く知ってもらうために調査団では、2013年9月〜12月にかけて市民を対象に「古文書にみる武州御嶽山の歴史」というテーマで7回の公開講座を実施した。本書はその講座の各回における講演をまとめたものであり、武州御嶽山について古文書を通して、近世〜近代における実相を理解できるようにした。
【主要目次】
第1講 近世初期の武州御嶽山 村上  直
  開講は、調査団の中心として研究を指導してきた氏による概論。  
第2講 日の出祭と流鏑馬祭−中世の祭礼− 齋藤 愼一
  春の朝の祭り(日の出祭)と、秋の夜の祭り(流鏑馬祭)の両祭の歴史。  
第3講 御師と神社−武州御嶽山御師の特色− 靱矢 嘉史
  近世の御嶽御師の身分と活動を検討し、特色を明らかにする。  
第4講 将軍上覧と御嶽御神宝 齋藤 愼一
  将軍吉宗の上覧の後、『集古十種』に採録され、文化財としても評価。  
第5講 武州御嶽山の社殿修復と資金調達 馬場 憲一
  大久保長安による社殿建立後の修復と、それにかかわる資金調達法。  
第6講 御嶽山の参詣と観光 米崎 清実
  参詣者により御嶽山はどのように変化したか、参詣者の目的はどうか。  
第7講 御嶽講と信仰−近世から近代への展開− 乾 賢太郎
  檀家廻りによる講中への働きかけと、講組織の変容・再編。  

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