近江三上の祭祀と社会
―民俗の歴史像を描く―

真野 純子 著
(日本民俗学会会員・日本史研究会会員/1948年生まれ)


2015年4月刊
A5判・452頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-901-8 C3039
9000円 (税別)
「本書で取り扱った滋賀県野洲市三上では、御上神社文書が存在する。三上に鎮座する御上神社には中世後期からの史料が残っている。この史料を中心にしながら、御上神社をふくめた祭祀を観察していくと、三上の人びとが大切にしてきたこと、こだわってきたことなどがわかってくる。つまり、史料と伝承、ときには遺物をとおして三上という地域の風土を筆者は描きたかったのである。」(本書「序」より)
評者:市川秀之(『日本民俗学』284  pp86-92  2015.11)評者:西尾正仁(『御影史学論集』41  pp98-100  2016.10)
【主要目次】

序   祭祀行事から近江三上を読み解く ―歴史民俗学の手法―

第一章 春祭りと渡御役
    神幸祭としての春祭り/
    春祭りを支えるムラの渡し番/
    御上神社とその周辺/
    渡御役からみた三上の社会構造

第二章 春祭りの記録化と変容
    祭礼相論/
    祭礼帳面の作成/
    祭礼行事次第と格式/
    春祭りにみる変容と村の論理

第三章 御上神社と土器作りホウライ衆
    土釜・土鍋と御上神社の神主/
    山論と北櫻ホウライ衆/
    ホウライ衆由緒書/
    北櫻村の成立伝承とホウライ衆の神役/
    土器作りの終焉

第四章 秋の神事と宮座 ―公文と座のありかたをめぐって―
    神事(ずいき祭り)/
    芝原式の構成/
    公文の存在/
    座のありかた

第五章 地侍の供養と屋敷先祖 ―山田講を中心に―
    山田講と施餓鬼会/
    兵農分離後の侍衆と家来/
    絶家した山田殿の供養/
    山田講田/
    山田講の推移/
    屋敷先祖を祀る/
    山田講の存続基盤

補 論 寺院史料の特性と史料誌の提唱 【真野俊和との共著】
    史料と史料調査/
    寺院史料の特性/
    史料目録から史料誌へ

総 括 民俗の歴史像を描くということ
    史料と伝承にもとづく歴史民俗学/
    記録することと管理すること ―公文から

近江三上の祭祀行事にかんする主要参考文献

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