享保十四年、象、江戸へゆく

和田 実 著
(豊橋市二川宿本陣資料館主任学芸員/1967年生まれ)


2015年2月刊
A5判・126頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-900-1 C3021
1800円 (税別)
前近代における象の渡来は、応永15年(1408)から文久3年(1863)まで都合8回確認できるが、そのなかで本書の主題である享保14年(1719)は、将軍吉宗へ「献上」のため長崎から江戸まで、2か月以上かけて旅をしており、その間の資料は絵画資料も含めて、豊富に残されている。この旅は、街道を行く人々や宿場ならびに近在に住む庶民にとって最大級の関心事であった。庶民のみならず。領国に駐在する大名やその家族、京都では天皇や法皇も象見物をして、「珍獣」騒動は熱を帯びた。
本書では、象が長崎に来る前から、江戸到着後その死後までを、引用史料を現代語訳して掲げ、日記や瓦版などの絵も収録して、判りやすく記す。
【主要目次】

第一章 象の渡来
象の渡来命令/象の到着から陸揚げまで/江戸への報告/
さまざまな「象語」/象遣いと通訳/象の取扱説明書/牝象の死

第二章 長崎から京都へ
出発に先立つ指令/象の飼料と宿泊予定地/長崎出発/
長崎街道を行く/関門海峡を渡る/中国地方諸藩への指令/
萩藩領を行く/徳山藩領を行く/広島藩領を行く/岡山藩領を行く/
岡田藩主の象見物/明石藩領での記録/尼崎藩領を行く/畿内を行く

第三章 京都にて
京都へ到着する/京都における町触/象小屋の普請/公家が見た象/
天皇の象見物/法皇の象見物/記録された噂/天皇らが詠んだ歌/
京都を出発/象の出版物

第四章 江戸へ向かう
象に関する心得触/美濃路を行く/名古屋城下にて/
吉田藩領を行く/本坂通気賀宿にて/江尻宿での目撃情報/
富士川の渡河/原宿を行く/三島宿近郊の記録/箱根宿での逗留/
六郷川の渡河

第五章 江戸到着後
江戸における触/江戸到着/将軍の象見物/
各藩江戸藩邸における象/水戸藩の象情報/象洞/
象の払い下げ/象の死/象頭見世物/象の残像

参考文献/史料一覧

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