現代の産育儀礼と厄年観

田口 祐子 著
(國學院大學大学院特別研究員)


2015年3月刊
A5判・348頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-899-8 C3039
6900円 (税別)
評者:佐々木美智子(『女性と経験』40  pp165  2015.10)評者:藤本頼生(『神道宗教』241  pp95-100  2016.01)評者:板橋春夫(『日本民俗学』288  pp133  2016.11)評者:無記名(『明治聖徳記念学会紀要』52  pp491  2015.11)
現代の人生儀礼の実態の解明と意義を考察すべく、「安産祈願」「初宮参り」「七五三」「厄年」の4儀礼を取り上げる。前3者は産育儀礼として分類されてもので、対象となる子どもの母親世代にかかわる儀礼ともいえる。厄年は30代女性の関心が特に高いと言われ、前記の母親世代と重なる。そこで、現代社会の象徴でもある東京を中心にして、儀礼の執行者(寺社)と参加者にインタビューやアンケートを実施し、その実態把握に務めた。
【主要目次】

序 章
    (本研究における問題意識/
     本研究の位置づけ/
     本研究の構成)
第一章 現代における安産祈願の実態と背景
    (これまでの安産祈願と先行研究/
     大規模民俗調査による安産祈願の実態/
     神社へのインタビュー/
     中井の御霊神社と安産祈願/
     御霊神社の安産祈願の実態と動向/
     メディアの影響/
     腹帯をめぐる変化)
第二章 現代における初宮参りの実態と意義
    (これまでの初宮参りと先行研究/
     現代の初宮参りに関する先行研究/
     母親たちへのインタビュー/
     神社へのインタビュー/
     神社で指摘された問題点/
     現代における初宮参りの意義)
第三章 現代における七五三の実態と意義
第一節 七五三に関する先行研究と意義
    (これまでの七五三と先行研究/
     現代の七五三と着物に関する研究/
     現代の七五三のその他の報告・研究/
     神社へのインタビュー)
第二節 儀礼参加者に聞いた現代の七五三
    (儀礼参加者へのアンケート/
     インタビュー)
付 論 現代の七五三の変遷に関する一試論
第四章 現代における厄年の実態と厄年観
    (厄年の定義と先行研究/
     神社へのインタビュー/
     厄年に関する世論調査と30代女性のライフサイクル/
     30代女性へのインタビュー/
     インターネット調査と女性誌の記事にみられる厄年観/
     女性たちから取り出した現代の厄年観/
     37歳厄年の創出)
付 論 女性誌の中の厄年
終 章
    (社会的承認の縮小・喪失/
     霊魂とのかかわりの希薄化/
     社寺参拝への画一化)
参考文献

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