越後上杉氏と京都雑掌
戦国史研究叢書13

小林 健彦 著
(新潟産業大学准教授/1962年生まれ)


2015年5月刊
A5判・356頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-898-1 C3321
8800円 (税別)
評者:花ケ前盛明(『新潟日報』2016.02.14)評者:萩原大輔(『日本歴史』827  pp103-105  2017.04)
本書は越後上杉氏と、「京都雑掌」とか「在京雑掌」と称される在京の武士・神(かな)余(まり)氏の行動を通じて、戦国大名の対京都外交の実態を明らかにする。併せて神余氏の京都での文化活動や、三条西家と青苧支配という経済活動や、越後下向後の行動なども取り上げ、戦国大名の領国支配が軍事力だけでは成立し得ないことを示す。
【主要目次】

序 章

第一章 越後上杉氏の京都外交
 (朝廷と大名/
 長尾為景・晴景の対朝廷政策/
 為景・謙信父子の対朝廷政策/
 上杉謙信の対朝廷政策)
付 論 京都泉涌寺文書と越後上杉氏

第二章 戦国大名上杉氏の対朝幕交渉
第一節 越後上杉氏に於ける都とのつながり
 (越後上杉氏在京雑掌神余氏/
 越後守護上杉氏時代に於ける京都外交)
第二節 在京雑掌としての神余氏
 (神余氏の職掌/
 花蔵院に関して)
第三節 神余氏の越後下向
 (神余氏の越後下向と織田信長入洛/
 河田・直江外交の登場)
第四節 御館の乱に於ける神余氏
 (上杉謙信の死/
 御館の乱に於ける神余氏の動向/
 三条城主神余氏の滅亡)
付論1 戦国大名家在京雑掌の経済的活動―上杉氏雑掌神余氏の場合
付論2 神余氏を巡る問題
付論3 神余氏と京都禅林
付論4 大内義隆の上洛志向と長尾為景
付論5 大内氏在京雑掌を巡って

第三章 上杉氏京都雑掌神余氏と連歌師
 (大名と文芸/
 酒宴と談合/
 芸能の張行と古典の講釈)

第四章 越後上杉氏京都雑掌神余氏と三条西実隆
 (『実隆公記』紙背文書に関して/
 三条西家宛神余氏書状等/
 三条西家と神余氏/
 三条西実隆書状)

第五章 上杉氏在京雑掌神余氏に見る「京都之時宜」
 (神余昌綱・神余実綱書状を巡って)
付論1 越後上杉氏在京雑掌神余氏と「時宜」注進
付論2 神余氏と「京都之時宜」

終 章

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