古代越中の律令機構と荘園・交通
古代史研究叢書10

根津 明義 著
(高岡市文化財課/1967年生まれ)


2015年3月刊
B5判・168頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-895-0 C3321
4800円 (税別)
評者:相澤央(『日本歴史』816  pp97-99  2016.05)
高岡市の文化財課で約20年にわたり調査した成果をまとめる。
第T編は、越中の国に施入された東大寺領荘園の現地比定研究と開田図の作成にまつわる分析で、同荘の現地比定について考古学の発掘成果から検討を加える。第U編は、諸官衙や在地の律令機構を主な対象とし、現地比定や律令体制の受容の実態を検討。第V編は、船着場遺構の発掘成果などから古代交通の有機的関係を追究。
附論として、東大寺領荘園の開田図と同じく正倉院に伝存する「養老五年下総国葛飾郡大嶋郷戸籍」にみえる諸里の現地比定を試みる。
【主要目次】

第T編 東大寺領荘園の開田図と現地比定
 第1章 越中国射水郡における東大寺領諸荘
       −現地比定をめぐる研究史と諸問題−
 第2章 東大寺領須加荘の所在にかかる考古学的考察
 第3章 東大寺領★田荘の所在にかかる考古学的考察
               (★は「俣」の人偏を木偏に)
 第4章 東大寺領鳴戸・鹿田両荘の現地比定にかかる一考察
 第5章 東大寺領越中諸荘における開田図の作成

第U編 古墳時代と律令期の在地社会
 第1章 越中国射水郡における諸郷の所在
 第2章 古代越中における官衙的様相と在地社会
       −律令期における在地の適応と展開および
        諸施設の現地比定研究の現状−
 第3章 富山県北西部における古墳編年の再検討と越中国の確立

第V編 古代越中の交通と社会
 第1章 古代越中における物資輸送の一形態
       −主に内陸における船着場遺構への認識をめぐって−
 第2章 古代越中における河川交通と歴史環境
       −在地系官衙的施設の出現と歴史的背景−

附 論 下総国葛飾郡大嶋郷諸里の現地比定

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