「江戸」の発見と商品化
大正期における三越の流行創出と消費文化
歴博フォーラム:民俗展示の新構築X

国立歴史民俗博物館+岩淵令治(学習院女子大学教授/1966年生まれ) 編

2014年3月刊
A5判・140頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-859-2 C3321
2400円 (税別)
評者:大橋里見(『都市史研究』2  pp142  2015.11)
2012年9月に開催された歴博フォーラムの記録。
歴博の共同研究「歴史表象の形成と消費文化」の成果のなかでも、近世都市江戸と江戸時代の文化のイメージとが、文化表象としてどのように形成され利用されていったかに焦点を絞ってみたものである。
具体的には、大正期の三越百貨店が「江戸趣味」の流行を創出し、それがどのように展開し受容されていったのかを、豊富な図版を使用して検証してゆく。
【主要目次】
趣旨説明 岩淵 令治
消費社会黎明期における百貨店の役割
 ―三越の商品開発と流行の近代化
神野 由紀
  消費社会の中で歴史を「発見」するということ/
百貨店の誕生と商品開発の現場/
百貨店が創り出す「趣味」
 
三越による通信販売と地方資産家の流行受容 満薗  勇
  三越による通信販売の展開/
信州須坂・田中本家における通信販売の利用
 
コメント:大正期における百貨店の量的および質的発展 藤岡 里圭
三越の流行創出と近代文学 瀬崎 圭二
  三井・三越呉服店と機関雑誌/
小説と広告/
名の商品化/
<江戸>の回顧と消費
 
三越における光琳戦略の意味
 ―美術史の文脈から
玉蟲 敏子
  報告の意図/
近代における光琳需受容の前提
 ―ジャポニスム/
PR誌から探る三越と光琳
 
コメント:百貨店における展覧会と啓蒙活動
 ―民芸運動とその周辺
濱田 琢司
総合討論 司会:  
岩淵 令治
三越関連年表  

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