人神信仰の歴史民俗学的研究

松崎 憲三 編
(成城大学教授/1947年生まれ)

2014年3月刊
A5判・300頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-850-9 C3039
6900円 (税別)
評者:鈴木岩弓(『日本民俗学』286  pp106  2016.05)
成城大学民俗学研究所プロジェクト研究(2010〜13年)の成果。
「歴史的変遷を踏まえて現状を把握し、課題を解明するというのが本書のスタンスであり、鎌足・信長・秀吉等、古代・中世以来の人神から、家康や藩主、義士・義民等、近世の人神に至るまでを対象としているが、中世末〜近世初頭、そして近代、戦後から現代というこの種の信仰の転換期に留意して分析を加えた。また、近年の社会的動向に鑑み、狭義の「人神信仰」の枠を超えて論じているものもある。相対的に研究蓄積が豊富な御霊や祖霊は扱っていないが、多様な人神信仰の一端を垣間見ていただければ幸いである。」
(松崎「はしがき」より)
【主要目次】
第1部 鎌足・信長・秀吉の信仰と祭祀
第1章 鎌足信仰と談山神社―睨み/威令の現象学 山田 直巳
第2章 信長・秀吉の信仰と祭祀
 ―ハ見寺・建勲社(神社)と豊国社(神社)
松崎 憲三
第2部 東照宮および藩祖・藩主の信仰と祭祀
第1章 東照宮の成立と変遷からみた人神信仰の特質
 ―東海地方を中心に―
高木 大祐
第2章 加賀藩祖前田利家の人神化と祭祀
 ―藩祖信仰の民俗学的検討
前田俊一郎
第3章 藩主の神格化と産土社への変容
 ―弘前藩高照神社を事例として
小山 隆秀
第3部 人神信仰の多様性
第1章 四十七士の祭祀顕彰とその教育資源化
 ―赤穂市の状況を中心として―
及川 祥平
第2章 義民の祭祀・顕彰活動
 ―岡山県総社市新本義民騒動を事例として―
佐山 淳史
第3章 新選組の慰霊・顕彰 ―“朝敵”から英雄へ 金野 啓史
第4章 かくれキリシタンにみる人神信仰
 ―殉教者ガスパル様とダンジク様―
茂木  栄
人神研究 関係文献一覧 及川 祥平

ご注文へTOPEへ