南北朝期 法隆寺記録
南都寺社史料集1
岩田書院史料選書B

「法隆寺記録」を読む会編
(代表:河野昭昌)

2014年7月刊
A5判・200頁・並製本
ISBN978-4-87294-849-3 C3321
2800円 (税別)
大阪府立中之島図書館所蔵「法隆寺記録」を影印で収録し、その翻刻をする。
併せて東京大学史料編纂所架蔵「法隆寺記録」紙背文書(影写本)も収録。
なお、東大史料編纂所架蔵の法隆寺古記録写真帳「法隆寺記録」とは同名異本である。
本記録は、鎌倉末期 元亨年間(1321-24)から南北朝前期 観応年間(1350-52)まで約30年間の法隆寺内(外)の事象を記した諸記録を、南北朝後期に法隆寺で編集したと推察される。
その記載内容は、法会の次第・供物・用途・交名が大半である。加えて、寺内の事項、僧侶の補任・祝宴、伽藍造作・修理の費用が続くが、とりわけ、顕密兼行の密教の記載が貴重である。
形態は、袋綴と一紙からなり、乱丁のみならず断簡も少なからず混入している。
その上、諸項目も完整ではなく、記載方に一定の方向性は薄く、重複もあり、かつ編年で
はなく、まちまちである。これらを補うために、索引を充実させた。
しかし、不完整な記録雑纂にもかかわらず、内容に独自の諸要素を含んでおり、周知の法隆寺記録の『別当記』『嘉元記』『寺要日記』と比較・対照させると、より理解できる。
前記三記録書に次ぐ、法隆寺第四の記録書と位置づけられよう。
【主要目次】

第1部 影印編
      付:紙背文書

第2部 翻刻編
      付:紙背文書

解 説                           河野昭昌

編年順内容要目と法隆寺諸記録・『大日本史料』との関係

「法隆寺記録」と『大日本史料』との対応表

索 引(人名・地名・事項)

【続刊】
 南都寺社史料集2:南北朝期法隆寺雑記「大乗院具注暦記 康安二年」

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