幕末期軍事技術の基盤形成
砲術・海軍・地域
近代史研究叢書21

神谷 大介 著
(東海大学非常勤講師/1975年生まれ)

2013年10月刊
A5判・394頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-825-7 C3321
8800円 (税別) 品切れ
評者:松本キヱ子(『千葉史学』64  2014.05)評者:淺川道夫(『日本歴史』799  pp105-107  2014.12)評者:布施賢治(『地方史研究』374  pp109-110  2015.04)評者:水上たかね(『史学雑誌』124-6  pp86-95  2015.06)評者:鈴木淳(『明治維新史研究』13  pp57-63  2016.02)
「本論の目的は、幕末期の日本における西洋軍事技術の導入過程を実態に即して考察し、@幕府が西洋軍事技術を導入し得た条件、A幕府による西洋軍事技術の実践がもたらした政治的・社会的な変化を究明することにある。明治維新という政治・社会の一大変革が急速に展開したのは、なぜだろうか。その理由について、幕末期における幕府海軍の創設過程・運用実態に着目し、技術の変化という視角から検討を加えていくものである。(中略)
 以上の課題を追究するにあたって、本論では、徳川将軍の膝元である江戸周辺の沿岸地域、とりわけ相模国三浦郡浦賀(現神奈川県横須賀市)を主な分析の対象として取り上げる。
 第T部では、海防が実務レベルで問題となり始める文化・文政期から、ペリー来航を迎えて、幕府が洋式海軍の創設に乗り出す安政期までを主な分析対象とする。(中略)
 第U部では、開港によって幕府の政策が転換する安政期以降の西洋軍事技術の組織化、および実践の問題について、幕府海軍の創設・整備の過程に注目して考察を加える。」 (「序論」より)
【主要目次】

序 論

第T部 西洋軍事技術の受容過程
 第1章 西洋軍事技術の担い手の形成過程と任用形態
       ―「在地型軍事官僚」の特質
 第2章 弘化・嘉永期における浦賀奉行所の西洋砲術導入問題
 第3章 弘化・嘉永期における幕府砲術稽古場と海防政策の展開
       ―相州鎌倉町打場を中心に
 第4章 嘉永・安政期における幕府の海軍創設計画
       ―長崎海軍伝習中止の再検討

第U部 海軍の創設と地域
 第1章 幕府海軍の創設と展開
 第2章 幕府艦船の運用と「軍港」の整備過程
 第3章 浦賀における銃砲生産の展開 ―館浦鋳立場を事例に
 第4章 浦賀における石炭供給体制の展開

結 論

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