後北条氏の武蔵支配と地域領主
戦国史研究叢書11

井上 恵一 著
(元 与野市史編さん室勤務/1947年生まれ)


2014年10月刊
A5判・426頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-823-3 C3321
9900円 (税別)
評者:浅倉直美(『日本歴史』809  pp106-108  2015.10)
本書は、武蔵国を中心とした戦国大名後北条氏の領域支配について、この地に在住した領主の動向に配慮しながらまとめたもので、あわせて 同国をめぐる後北条氏と周辺領主(上杉謙信、武田信玄、岩付城主太田資正、勝沼城主三田綱定など)の争乱についても検討。
第1章は、後北条氏の支城領制に関する論考をまとめた。第2章は、天文15年の河越合戦後、天正6年まで続く、後北条と越後の上杉謙信、甲斐の武田信玄との抗争を武蔵国との関わりを中心に検討。第3章は、後北条氏の岩付領支配・後北条領国への統合について具体的に検討し、その他領と異なる特質について考察。第4章は、戦国末期の岩付城主太田氏房の発給文書を検討し、その支城領域支配について考察。第5章は、後北条氏の西多摩・入間地方進出とその後に続く、滝山・八王子城主北条氏照の「領」内支配について、地域領主の大石氏・三田氏とその配下の中小領主の動向を配慮しながら考察した。
【主要目次】

序 章 関東の戦国時代と本書の概要

第一章 後北条氏の支城領制
      (後北条氏の領国支配形態/
      武蔵における後北条氏の商業統制/
      後北条氏の支城領制と北条氏照)

第二章 河越合戦以後の武蔵国
      (古河公方足利義氏と武蔵国/
      上杉謙信の関東進出と越相同盟/
      岩付城主太田氏の内訌と後北条氏の岩付領直轄支配/
      武田信玄の西上野支配と武蔵国/
      河越合戦後の北条氏康と太田資正)

第三章 岩付領の領域支配
      (後北条氏の岩付領支配と浦和市域/
      後北条氏の領域支配と国法/
      北条氏政の岩付領支配)

第四章 太田氏房の文書について
      (岩付城主太田氏房とその文書/
      太田氏房の文書と領域支配/
      太田氏房の家臣団/
      岩付領における太田氏・北条氏政の証文)

第五章 後北条氏の西多摩・入間進出と地域領主
      (後北条氏の西多摩・入間地域進出/
      戦国時代の金子氏と宮寺氏/
      滝山・八王子城主北条氏照と大石氏・三田氏/
      武田氏の滅亡と武蔵国村山郷)

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