「本書は、長野県下水内郡飯山町(現在は飯山市)とその周辺にあった自由民権運動を、民間史学の立場から纏めた足立幸太郎(1872-1946)の自由民権研究を「再考」し、地域自由民権運動研究を日本近代史・地域近代史全体の流れのなかに据えなおしてみたいと考えて取り組んだ成果である。本書の内容は、足立の地域自由民権研究の中心的な論著を撰んだ「足立幸太郎著作編」と、足立の先駆的な仕事の継承・発展を志す「研究論文編」の二部からなる。本書の副題にも謳う「再考」の企てには二つの意味がある。第一に、足立の自由民権研究を現在までに明らかになった史料状況を踏まえ、一方で解明されてきた自由民権運動諸研究から批判的に再考し、地域自由民権運動の歴史像を描きなおすことである。第二に、足立の著作の成立過程・方法意識・読者層を解明し、それらを地域近代史学の形成過程として再考することである。」(上條「はしがき」より) |
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【主要目次】 |
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第一部 足立幸太郎 著作編
1 最古の青年会と北信自由党
2 北信自由党
政党前記/郷党史/北信自由党史 第一期・第二期
3 栗岩隆之助君伝
4 平井三斧伝
5 沼田世遠先生 |
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第二部 研究論文編 |
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地域史家足立幸太郎と『北信自由党史』の成立
―史観・史料調査・読者群像― |
緒川 直人 |
北信自由党史の書誌学/方法としての私文書
―北信自由党史編纂前史―
民権史料調査と元北信自由党員/『北信自由党史』の読者 |
北信自由党・信陽自由党の史的考察
―東京自由党解党以前を中心に
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上條 宏之 |
北信自由党の成立と活動/信陽自由党の成立
―飯山自由民権運動の進展
信陽自由党の活動と寿村民権派の動き |
飯山民権家と高田民権家
―北信越自由民権運動の世界 |
河西 英通 |
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足立幸太郎年譜稿 |
緒川直人編 |
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